今回は2022年12月11日(日)にシャティン競馬場で予定されている、香港国際競走・香港カップの分析と予想記事を掲載していこうと思います。
よろしくお願いいたします。
香港カップ概要
香港カップはシャティン競馬場芝2000mで行われるレースです。欧州遠征馬もいますが、基本的には地元香港馬と日本馬が強いレース。
今年も基本的には香港の上位馬vs日本馬という構図で問題ないのではないかと思います。
近3年はウインブライト、ノームコア、ラヴズオンリーユーと日本馬が3連勝していて、日本馬4連勝となるかも注目です。
日本馬は広尾のパンサラッサやキャロットのレイパパレ、サンデーのジオグリフとクラブ馬3頭を含む5頭が挑戦。
勢いに乗るロマンチックウォリアーやトゥールビヨンダイヤモンドなど香港の地元有力馬が迎え撃つ形です。
馬齢傾向を見てみると、近年は4歳馬と5歳馬が連対率・複勝率ともに優れた数字になっています。
また、逃げ先行馬より中団より後ろで差し脚を伸ばす馬が強いレースであるという特徴もあります。
今回の日本馬はジャックドールやパンサラッサなど、前に行くタイプの馬が多いのでこのレースとの相性がどうなのかは、1つポイントになりそうです。
そもそも、近年のレースは実力馬の出走馬に差し脚質の馬が多かったという部分もあるので、そこも考慮に入れる必要はありそうですね。
過去3年のレース分析
1着 ラヴズオンリーユー
2着 ヒシイグアス
3着 ロシアンエンペラー
ラヴズオンリーユーが引退レースを勝利で飾ったレースです。
日本馬のワンツーフィニッシュでした。
ラヴズオンリーユーは道中4-5番手内目追走、最後の直線で前が壁になりかけるも前の馬が外に少しヨレたタイミングで前に出ました。
このレースはリアルタイムで観ていましたが、手応え的には厳しそうで外から伸びてきたヒシイグアスが鋭く伸びてきたため「あぁ、これはだめかも」と思いましたが、そこからジワジワと加速し、3頭のたたき合いを制して勝利しました。
2着のヒシイグアスは後ろから2頭目あたりで待機し、最後の直線で大外をぶん回すという強引な競馬。外差しがしっかり届くことを示しました。
3着人気薄だったロシアンエンペラーは、道中中団待機。ラヴズオンリーユーを2馬身ほど後ろで見る形で、3角あたりから外目で進出を開始。
4角では先頭に迫る勢いで捲り気味にポジションを上げ、直線スムーズに抜け出しました。
この馬も4頭分ほど外を回す位置取りでしたが抜け出した後には内に切り込み、ラチ沿いを走らせて僅差の3着という競馬でした。
香港のシャティン競馬場では、このように直線で外から内に切り込む動きをする馬が多い印象です。
これは雨が多い香港で水捌けを確保するためにトラックがかまぼこ状になっていることによるものではないか?という声も聞きます。
1着 ノームコア
2着 ウインブライト
3着 マジカル
この年も日本馬のワンツーフィニッシュでした。
前年優勝のウインブライトは2着、ノームコアが優勝でした。
道中中団後方に控えた馬3頭が馬券内を独占。先行した馬には厳しいレースでした。
直線では外目から抜け出したウインブライトの後ろからノームコアが強襲。
ノームコアは後方から外差しを決めた形になりました。
ノームコアとウインブライトが併せて馬場の外目を上がっていく中、マジカルは内目に進路をとり3着。2〜3着は僅差でした。
出走頭数が少ないこともあり人気馬が掲示板内を独占する、実力馬がしっかり勝ち切るレースになりましたね。
1着 ウインブライト
2着 マジックワンド
3着 ライズハイ
日本馬ウインブライトが優勝しました。
ウインブライトは4番手外目を追走、1度は道中2番手あたりまでポジションを上げるも一息入れるためか、一旦後退。3角では4番手あたりまで下げていて「手応えよくないのかな?」と少し心配した記憶があります。
ただ、4角では再び外目から進出を開始し、直線ではほぼ馬群が一団となっている状態。
ウインブライトは内から3〜4頭目あたり、ほぼ4頭ほどが横一線になったような状況から追い比べになりました。
ものすごく鋭く伸びたというよりはじわじわと脚を使った感じ。
2、3着馬とも着差はあまりなく、特に直線向いたタイミングではほぼ全ての馬が一団となっていました。
アタマ差2着だったマジックワンドはウインブライトと同じように、道中前につけたり中団に下げたり、ウインブライトをマークしているのか?と思うような動きもしていました。
しかし結局直線では内目を選択、ウインブライトの後ろを確保してついてきて…という競馬ではありませんでした。
3着ライズハイは中団の後方あたりから大外をぶん回しての3着という形。
このレースも前につけた馬というよりは中団より後ろの馬が差しを決めたレースだったという印象です。
ジェイの注目馬
1 パンサラッサ
逃げ馬には厳しいのではないか?という前フリをしておいて、まず取り上げるのがパンサラッサというのは矛盾しまくっているのは重々承知でありますが、だからこそ逆張りで狙いたい1頭です。
この馬の戦法は当然香港馬の陣営たちも理解した上でどのような走りをするかは考えていると思います。
ただ、例年の傾向で言うと早めに動いて前を捕まえに行くより、じっくりと脚をためて最後の末脚を使うというのが王道のスタイル。
今年その走りを香港馬がした時に「あれ?これ届かなくね?」となるパターンは想像できる。
冒頭に書きましたが逃げ馬の成績が悪い理由の一つに、そもそも逃げ馬の実力馬が少ないこともあります。
少なくとも、パンサラッサクラスの実力を持つ逃げ馬は筆者は香港の中距離路線の馬では思いつきません。
今回、日本馬の中でもジャックドールやレイパパレなど先行馬が多く例年とはペースが異なる可能性があり、傾向が変わる可能性は十分あると思います。
そして、筆者がパンサラッサを推したい理由はドバイで実績があることです。
ロードノースと同着ではありましたが、芝1800mのG1ドバイターフで優勝していることは大きなポイントです。
ドバイのメイダン競馬場とシャティン競馬場の芝の構成は同じなので、ドバイで力を出せたのであれば、シャティン競馬場でも力を出せる可能性は高いです。
海外遠征も1度ドバイで経験しているので、輸送はドバイよりも近く負担は少ないですし、一定舞台適性が担保されているのは大きいと思います。
また、もう一つパンサラッサを推す理由があります。
それは血統面です。父ロードカナロアは香港スプリントを連覇した馬ですし、本馬の母方にはモンジューを経由してサドラーズウェルズ、ハイエステイトなど欧州芝血統がずらり。
ドバイでの活躍も頷ける、洋芝で活躍できそうな要素を数多く持っています。
今回シャティン競馬場も、力を発揮できる舞台だと思いますので、あとはコンディションと力が通用するかに限ると思います。
矢作調教師も海外経験は豊富で厩舎のノウハウも十分でしょう。
日本馬なのでオッズの旨味はないと思いますが、応援も兼ねて筆者は本命視しています。
2 ロマンチックウォリアー
日本の馬券発売では大変旨味のあるこの馬を非国民ながら2番手評価とさせていただきます。
日本馬応援記事ではなく、競馬予想の記事ですのでご容赦ください。実力とオッズが乖離している馬No1だと思います。
執筆時点で海外ブックメーカーでは1番人気単勝オッズ3.0倍が、日本プールだと単勝15倍越えです。
結果的にどうなるかわかりませんが、海外競馬で日本馬が出走して馬券発売がある場合、日本馬に人気が集まるためこうした歪んだオッズが発生します。
ここをうまく使うことで、海外競馬の馬券収支は大きく向上が見込めると思います。
そして、オッズに乖離があるからと言う理由だけでこの馬を選んだわけではありません。
この馬は2000m路線でも日本馬とガチンコで戦える実力を持つ、香港のスターホースです。
これまで9戦して(8-0-0-1)という結果。
唯一負けた香港クラシックカップ(L)は、道中好位外目追走するも、途中でジョッキーが何度も右後ろを振り返り一旦後退、その後直線では普通にムチをいれて追って4着でした。
よくわからないレースでしたが、道中馬体に違和感を感じたのか、少し変な感じで実力で負けたと言う感じではありませんでした。
実際、この時の勝ち馬カルフォルニアスンパングルには、次走の香港ダービー(L)で勝利していますしね。
カルフォルニアスパングルはその後G1チャンピオンズマイルで怪物ゴールデンシックスティの2馬身差で2着と力を示しました。
ロマンチックウォリアーは香港ダービーから現在3連勝中。全てシャティン競馬場の芝2000mと今回と同じ舞台です。
3〜5番手あたりの好位から中団に控えて差しを決める競馬を基本としていて、今回の例年の香港カップの活躍傾向には合いそうです。
近年日本馬の活躍が目立ちますが、風穴を開ける香港馬の大本命はこの馬ではないかと思います。
鞍上のJマクドナルド騎手はオーストラリアの名手。前回のレースからコンビを組んでいるため、馬の特徴も熟知しているでしょう。
コース適性も抜群に示していますし、不安要素は少ない1頭ですよね。
それにしても、ロマンティックじゃなくて、ロマンチックなんですね。
なんだかちょっと昭和な感じですね(笑)
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3 ジャックドール
前走天皇賞秋は悔しい4着でしたが、全体成績は12戦(7-2-0-3)とまだまだ特筆すべき連対率を誇ります。
この馬も基本的に前に行く馬なので、今回のレースとの相性が若干の不安要素としてあるので、3番手評価に落としています。
この馬はモーリス産駒。豪州でもシャトルでモーリスは種付けをおこなっていて、産駒のマズやヒトツなど豪州のタフな芝で活躍する馬を輩出しています。
モーリス自身も香港で活躍した馬ですし、ジャックドールは前前走ハイレベルなG2札幌記念でパンサラッサにも勝利しています。
札幌記念というシャティン競馬場に近い洋芝での実績があるところも強調ポイントです。
天皇賞・秋では負けてしまいましたが、パンサラッサとの力の差はそこまでないのではないかと思います。
一方、不安要素としては執筆時点で公表されている情報を見ると馬体重がかなり減ってしまっているようです。
今回初の海外遠征になりますので、力をしっかり発揮できるコンディションであるか?当日パドックの雰囲気なども見ながら判断したい1頭です。
7 トゥールビヨンダイヤモンド
筆者の4番手評価はこの馬です。
この馬は日本プールで執筆時点で100倍以上の単勝オッズがついていますが、信じられず2度見しました。
海外ブックメーカーだと概ね20倍弱、中穴といったところでしょうか?
この馬を筆者が評価している理由は、勝ちきれていないものの、これまでレベルの高い馬と戦い安定した成績を残していることです。
前走シャティン競馬場の芝2000mで行われた香港ジョッキーCでは、前述のロマンチックウォリアーの0.2秒差2着。3番手あたりから進出する競馬でした。
今回出走している香港馬は皆このレースを前回使っての参戦。日本馬もレベルの高いレースなので同レースの2着馬までで拾うのはいいかなと思います。
前前走はマイルのG2シャティントロフィーでは5番手あたりから追走する競馬で、前述のカルフォルニアスパングルの0.2秒差2着。
脚質やシャティン競馬場でも好走しているところも強調ポイントです。
乗り替わりでボウマン騎手を鞍上に手配したというのも、勝負気配高くいいですよね。名手の巧みな騎乗で穴を開けてほしいと思います。
本当にこのままのオッズで行くのであればワイド流しの起点として、高配当を狙ってみようかなと思います。
12 レイパパレ
2年連続の参戦となりました。
ここ2戦は馬券外となっていますが、いずれもマイルと1800m。
2000mでの安定感がありますから、ここ2戦はそこまで気にしなくてもいいのかなと思います。
一方、個人的に気になっているのは昨年の香港カップの成績です。
道中は中団を通って、直線は確かに前が窮屈になっていたのですが、それにしても伸びを欠いていたように見えました。
芝2000mの実力は十分あると思うのですが、香港で力を発揮する馬なのか?というところが去年の走りを見ていると若干疑問が残ります。
ジェイの買い目
単勝 1
馬連 2-1,3,7,12
ワイド 7-1,2,3
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