どうも、豪州馬主のジェイです。
今回は香港カップデー、2022年12月11日(日)に日本馬が数多く出走するということで、香港カップデーの4レースについて特集記事を書いていこうと思います。
順次、個別のレース予想記事も掲載出来次第、更新していきます。更新時はTwitterで告知を行いますので、ぜひサララボTwitterもフォローしていただけると幸いです。
それでは、早速香港カップデーの傾向と特徴を一緒におさらいしていきましょう!
日本馬多数参戦!香港カップデー
香港カップデーに行われるのは…
○香港ヴァーズ(G1)
第4レース 2,400メートル(芝) 発走時刻 日本時間15時10分
日本馬:グローリーヴェイズ、ウインマリリン
○香港スプリント(G1)
第5レース 1,200メートル(芝) 発走時刻 日本時間15時50分
日本馬:ジャンダルム、ナランフラグ、レシステンシア、メイケイエール
○香港マイル(G1)
第7レース 1,600メートル(芝) 発走時刻 日本時間17時00分
日本馬:ダノンスコーピオン、サリオス、シュネルマイスター
○香港カップ(G1)
第8レース 2,000メートル(芝) 発走時刻 日本時間17時40分
日本馬:ジャックドール、パンサラッサ、ダノンザキッド、レイパパレ、ジオグリフ
となっています。
今年も多数の日本馬が出走を予定しています、日本馬の活躍が楽しみですね。
日本vs香港!?
過去傾向を見ると、香港シャティン競馬場で行われるこの4レースは、基本的に日本馬vs香港馬の構図。
欧州などからの遠征馬ももちろんいるのですが、馬券内にきているのは近年ほとんど日本馬か香港馬となっています。
試しに過去10年の勝ち馬の調教国を見てみると…
香港ヴァーズ:日本3勝、アイルランド3勝、香港2勝、フランス1勝、イギリス1勝
香港スプリント:香港7勝、日本3勝
香港マイル:香港8勝、日本2勝
香港カップ:日本5勝、香港5勝
となっています。
香港ヴァーズだけ少し毛色が違いますが、それ以外のレースは優勝馬だけを見ても顕著に日本馬と香港馬が多いことがわかると思います。
(そもそもスプリントやマイルは日本と香港馬の出走が多いというのもありますが、、、)
香港カップは、19年ウインブライト、20年ノームコア、21年ラヴズオンリーユーと3年連続で日本馬が勝利していますね。
また、香港カップデーの顕著なレース傾向としては
○短距離・マイルは地元香港馬が強い
○2000m以上は日本や欧州馬が強い
普段あまり海外競馬を見ないという方はざっくりとこのイメージを持ちながら予想を組み立てると、いいのではないかと思います。
ところで、凱旋門賞をはじめとして欧州遠征では日本の馬が苦戦を強いられている場面が多い印象があるのではないでしょうか?
しかし今回の香港シャティン競馬場であったり、ドバイのメイダン競馬場であったりと日本馬が好成績を例年残している競馬場もあると思います。
この違いはどこにあるのでしょうか?
シャティン競馬場の特徴
日本馬が苦戦する海外の競馬場というと、どんな競馬場を思い浮かべるでしょうか?
・パリロンシャン競馬場
・アスコット競馬場
などがまさにそうなのですが、筆者は日本馬の欧州遠征の大きな壁の1つとして洋芝に加えて「高低差」があるのではないかと考えています。
この「高低差」が香港シャティン競馬場にはほとんどなく、フラットな平坦コースです。
日本の競馬場に近い形で、日本馬が力を出しやすい大きな要因の一つだと思います。
シャティン競馬場は1周1899mで直線430m。直線も十分長さがありますね。
芝は洋芝ですがバミューダグラスを主にして、ペレニアルライグラスをオーバーシードした馬場。
余談ですがドバイもメイダン競馬場と同じ芝の構成になります。
洋芝ではあるものの、スピードが出やすく欧州の洋芝とは構成も違うため、シャティンやメイダンの芝の方が日本馬は力を発揮しやすいのではないかと筆者は考えています。
せっかくなので、洋芝の小話をひとつ。
バミューダグラスは温暖な地域で育ちやすいですが、寒冷な地域には向きません。
そのため、温暖な気候の香港やドバイで使われているんですね。
ペレニアルライグラスは寒冷地でも育ちやすいとされていて、欧州の競馬場でもよく目にします。
寒冷地向けの芝だと、北米の寒冷な競馬場で使われているケンタッキーブルーグラスも有名ですかね。
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香港馬はなぜ短距離に強い?
過去10年の戦績を見るだけでも、香港馬のマイル以下の距離での強さが際立っていることがわかると思います。
実際香港では、ゴールデンシックスティ(Golden Sixty)や、ウェリントン(Wellington)、カリフォルニアスパングル(California Spangle)とマイル以下での実力馬が多数いますよね。
中距離路線もロマンチックウォリアー(Romantic Warrior)など、スターホースが生まれつつありますが。
さて、なぜ香港はマイル以下のレベルが高いのか?
その秘密は、香港は馬産を行っておらず海外で生産された馬を輸入しているところにあります。
輸入元は様々ですが、メインとなっているのは短距離王国で私も馬主をしているオーストラリアを含むオセアニア州です。
オーストラリアでは、短距離×早熟が血統トレンドで、2歳短距離レースの最高峰ゴールデンスリッパーを制覇するということが日本でいうところのダービー制覇のような扱いです。
となれば、当然種牡馬入りする馬も短距離馬が多くなりますし、馬産の中心も短距離馬になります。
そのため、オーストラリアのハイレベルな短距離血統馬が香港に入るので、必然的に香港の短距離馬のレベルも上がっていくのです。
実際、オーストラリアのセールでは香港に移籍させることを前提に落札する馬主さんもいますし、現役馬のトレードも盛んなので、2歳戦で成績を残したオーストラリアの馬が高額オファーを受けて香港のオーナーのもとに移籍するなんてこともあります。
この”馬産をしていない”ということがもう1つ如実に現れているところがあります。
それはセン馬率の高さです。
香港のレースを見ていると、そのセン馬の数に日本の競馬ファンであれば驚くかもしれません。
オーストラリアも短距離血統の大型馬が多く喉のトラブルを抱える馬が多いことなどから早めに去勢をすることが多いのですが、それ以上に香港では抵抗なく去勢をおこなっている印象があります。
もちろん、香港で活躍して別の国で種牡馬入りというルートも不可能ではないんですけどね。
逆に日本馬は、馬産の中心は3歳クラシックに照準を合わせることが多く、芝2000m〜2400mあたりは層が厚くなっていますよね。
2400mは欧州も層が厚いレンジになってきます。
大雑把な予想にはなりますが、どの地域はどのレンジに強いのか?このイメージを持つだけでも馬券収支は向上するかもしれませんね!
今回は週末までに各レースの個別予想記事も掲載予定です。お楽しみに!
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