2023年4月15日(土)のオールエイジドステークスは、日本での馬券発売はありませんが日本馬ホウオウアマゾンが出走を予定しています。
今回は豪州馬主として、まだまだ若輩者ではありますが、今回のレースの特徴・傾向と海外有力馬、そしてホウオウアマゾンの勝算について記事にしていきたいと思います。
よろしくお願いします。
競馬場解説
ランドウィック競馬場は右回りの競馬場で、楕円形というよりも長方形のような形です。
1周が2224メートルとニューサウスウェールズ州では最大規模を誇るメインコースと、その内側にある1周2100メートルのケンジントントラックの2コース(ともに芝)が競馬で使われ、他のコースは調教用です。
最後の直線は緩やかな上りになっていることから“ザ・ライズ”と呼ばれています。
メインコースの最終コーナーからゴールまでの直線は410m、残り300mから上り坂、最大幅28mと形状は中京競馬場の直線と似ています。
レース概要
G1オールエイジドステークスはランドウィック競馬場で行われる芝1400mのレースです。
2004年から現在の距離でレースが行われています。
2014年には日本馬のハナズゴールが勝利しました。
2023年の総賞金は去年よりの総賞金600,000豪ドルから大きく飛躍する1,500,000豪ドルに増額されました。
2023年の”1着賞金”が870,000豪ドルとなっています。
1ドル=90円で計算すると1着賞金は7830万円となりますね。
ちなみに2020年開催時には総賞金480,000豪ドル、1着賞金275,000豪ドルで行われていたことを鑑みると、ここ数年で賞金が大きく増額していることがわかります。
この賞金増額により、今年は例年よりも豪華メンバーが集まったと現地関係者も口にします。
この時期のシドニー地区は降雨が多く、馬場が渋ることが多いので、当日の馬場状態は要チェック。
重馬場適性もしっかりと確認したいところです。
近年傾向を見ていると内枠有利の傾向があるように見受けられます。
2023年の発走予定時刻は現地時間15時50分、日本時間では時差が1時間あるため14時50分発走予定となっています。
競馬法に基づき農林水産大臣が指定するレースではないため、ホウオウアマゾンが出走しますが日本での馬券発売は残念ながらありません。
過去レース回顧・傾向
2022年(不良馬場)
1着 カスカディアン セ7 Jマクドナルド Jカミングス 4人気 1番ゲート
2着 トファーネ 牝6 Mザーラ Mモロニー 7人気 11番ゲート
3着 エルズバーグ 牡4 Nローウィラー Gライアン 4人気 6番ゲート
↑後方待機したカスカディアンが直線外に持ち出して末脚を伸ばして勝利。カスカディアンは前年3着馬でした。
2着馬のトファーネとエルズバーグは前目で競馬をする形で、外差し有利のレースだったという印象はありませんでした。
むしろ、前が止まらない中でカスカディアン1頭が突っ込んできたというイメージ。
先日の桜花賞のリバティアイランドほどの衝撃ではありませんが、レースの印象としては近いものがあります。
2021年(稍重)
1着 コールディング セ5 Bアブドゥラ Cウォーラー 4人気 3番ゲート
2着 サヴァティアーノ 牝6 Hボウマン Jカミングス 2人気 6番ゲート
3着 カスカディアン セ6 Jカー Jカミングス 3人気 1番ゲート
↑内枠の3頭による馬券内独占となりましたが、人気馬ばかりでもあったため純粋に能力が抜けていた可能性もあり、評価が難しいところです。
馬券内の3頭は、全頭4角では前目のポジションで、後ろから差し脚を伸ばした馬はいませんでした。
3着だったカスカディアンは前が壁になりかなりロスがある競馬で3着に。3着馬までの着差はほとんどなかったため、スムーズだったらこの馬が勝っていたのではないかと思えるレースでした。
印
◎4カスカディアン
〇5マズ
▲12ギガキック
△1ザーキ
☆7ホウオウアマゾン
※数字は馬番
注目馬解説
◎4カスカディアン(豪)
去年の勝ち馬で2年連続で馬券内に来ているこの馬を本命とします。
去年前が有利と思われる馬場の中1頭後ろから突っ込んできた末脚は素晴らしいものがあり待たし、一昨年のレースでは着順こそ3着ですが、中団あたりから追い出しを開始し、1度完全に進路がなくなってしまい、ブレーキをかけて外に持ち出してから再び伸びて差のない3着と、スムーズであれば2連覇であってもおかしくなかった馬です。
現在8歳馬であることもあり、人気を落としているようですが、過去2年この成績の馬をこのオッズで買えるのは非常に旨味があると思います。
というのも、今年のシーズンは初戦のG1カンタベリーステークス(芝1300m・重)こそ5着でしたが、その後ハイレベルなオールスターマイル(稍重)で2着、その後フレミントンのG1オーストラリアンカップ(芝2000m稍重)で勝利と絶好調。
まだまだ、年齢的な衰えは感じさせません。
上位人気になりそうな実績馬たちが1400m初挑戦という馬が多く距離的な不安が残る中、抜群の舞台適性を見せているこの馬は軸馬として非常に頼もしいのではないでしょうか?
ちなみに4月8日にユニコーンライオンが出走したクイーンエリザベスステークスに出走予定でしたが直前に取り消しました。
私は元々この馬を評価していましたが、適性が示されているこちらのレースに出てきたことでさらに評価を上げています。
外枠に入ってしまったのは懸念ではありますが、有力馬の多くが外枠に入っていることと、前に行きたいタイプの馬ではないのでそこまで大きなマイナスにはならないのかなと考えています。
〇5マズ(豪)
モーリス産駒のマズを対抗とします。
正直、日本の血統贔屓でつけた部分はあります。
とはいえ、ギガキックが勝利した去年のジ・エベレストで勝ち馬と1馬身差と差のない3着。
短距離G1であるドゥームベン10000(芝1200m)で後にG1ウインターボトムSパウレレに勝利しています。
短距離G1で実力馬に勝利していることは、この馬の能力の高さを示しています。
2023年シーズンはニューマーケットH(G1・芝1200m)で5着、前走TJスミスS(G1・芝1200m)で3着と着順を上げてきています。
前走のTJスミスSはギガキックが2着、ギガキックとは3/4馬身差でした。
始動3戦目でちょうどいい状態になっているのではないかと予想します。
オーストラリアでは休養明けの初戦は叩き的な使い方をすることも多く、今年初戦の5着は悲観する必要はないでしょう。
最長1300m(2着)で、1400mのレースは初になりますが父モーリスであることを考えると距離延長はそこまでマイナスではないのではないかと思います。
1200mではギガキックに1枚届かない印象を受けますが、1400mであれば結果が逆転する可能性は十分あるでしょう。
先行力のある馬で、今回のレースにも合いそうな印象を受けますし、オッズの期待値も込めてこの馬を対抗とします。
21年10月以降、12戦して6勝。
馬券外はわずか2回のみ、その2回はどちらも休養明け初戦です。
モーリス産駒の成長力を考えれば、今年さらなる飛躍を遂げてもおかしくないでしょう。
▲ギガキック(豪)
デビュー戦から5連勝で超高額賞金レースとなるジ・エベレスト(芝1200m・重)を去年制覇した、現地のスターホースです。
2歳短距離路線が最も豪州では層が厚いので、ここでこれだけ活躍しているというのは非常にレベルの高い馬であることの証左だと言えます。
3歳馬のため斤量は56.5kgとなります(4歳以上は59kg)。
前走はTJスミスステークス(G2・芝1200m)の不良馬場で2着と、極端な馬場となってもしっかりと連対していますし、デインヒルステークス(G2・芝1100m)では良馬場で勝利もしていて、馬場不問の安定感を誇ります。
これまで8戦して馬券外は1度のみ、唯一の懸念は今回距離延長で初めての1400mとなることでしょうか?
これまでは最長1200mで戦ってきたので、200mの距離延長にアジャストできるか?がカギだと思います。
また、今回外枠に入ってしまったことに加え、脚質は追い込み。
今回のレースにばっちり適性や枠があっているかといわれると、そうではない気もします。
とはいえ能力は高いのでカスカディアンと共に後ろから強襲してくる可能性も十分ありますがね。強敵の1頭だと思います。
△1ザーキ(豪)
カスカディアンと同じく8歳馬のこの馬を4番手評価とします。
過去にはランドウィックのG1クイーンエリザベスステークス(芝2000m・不良)で2着に入っている他、今回と同じランドウィックの芝1400mで行われるG2トラムウェイステークス(稍重)での勝利歴もあります。
これまで40戦して14勝、着外は12回のみと非常に安定感がありますし、メインは芝中距離と思えるような戦績ではありますが、1400mまでは守備範囲内でしょう。
去年11月以来の休み明けの1戦となるため、このレースでどこまで仕上げているか、未知数の部分はありますが、逃げ・先行の戦法と名手Jマクドナルド騎手がハマれば、馬券内に来る可能性は十分あるでしょう。
良馬場~不良馬場まで、勝ち鞍に大きな偏りはないため(若干重馬場巧者?)馬場が渋っても問題ないと思います。
特に前が止まらない展開になれば、軽視できない1頭だと思います。
☆ホウオウアマゾン(日)
今回唯一の外国調教馬となるのがホウオウアマゾンです。
2021年アーリントンカップ勝ち馬で、去年はマイラーズカップで2着に入っています。
前々走はダートの根岸Sを使い、12着。
前走阪急杯は今回と同じ芝1400mで、ここでは3着に入っています。
1400mレースで現地の一線級のスプリント~マイル馬がそろいメンバーレベルは非常に高い1戦になりますのでこれまでの実績的には挑戦する立場にはなると思います。
斤量は59㎏と日本より重くなるため、このあたりも対応が必要なところでしょう。
ゲートは7番と真ん中あたりに入りました。
荒木調教助手のコメントでは「もう1つ内側の枠がベストでしたが、そこはオーストラリアでも騎乗経験のある坂井騎手に任せたいと思います」とされています。
理想は内枠が欲しかったようですが、大きな不利はないのではないかと思います。
近年のレース傾向からも、スタートを決めて普段通り前で競馬ができればチャンスがあるのではないかと思います。
ライブ配信告知
日本での中継や馬券発売はありませんが、4月15日の14時〜YouTubeの個人チャンネルで同時視聴配信を行います。
中継はオーストラリア現地のサイトを用いて視聴予定ですが初めて試すサイト+VPNなのでうまくいくかわかりません。最悪の事態になったら、笑って許してください。
2 Responses
[…] […]
[…] […]