今回はカタール・アミールトロフィー2024について解説していきます。
よろしくお願いします。
発走時間
カタール・アミールトロフィー(Amir Trophy・カタールG1)2024は日本時間2024年2月17日(土)の22時15分発走予定となっています。
現地時間は日本との時差は6時間で、現地時間では16時15分発走予定です。
レース概要
カタールG1であるアミールトロフィーはドーハにあるアルライヤン競馬場で行われます。
アルライヤン競馬場は1975年創立のカタール唯一の競馬場で、開催時期は10月末〜4月末までになっています。
ハマド国際空港が最寄りの空港で、タクシーで30分ほどの位置にあるそう。
芝コースは1周1600m、ダートは1周1400mとやや小型の競馬場ですね。
アミールトロフィーはカタール国内ではG1扱いですが、国際的にはG3扱いとなっているので注意が必要で、芝2400mの右回りで行われるレースです。
総賞金は約3.5億円と超高額レースで、1着賞金は約2億円。
3着賞金でも4000万円、5着賞金も1400万円と非常に賞金体系は豪華と言えます。
去年は香港の強豪馬ロシアンエンペラーが勝利しました。
日本馬のカタール遠征は、2019年に森秀行厩舎のユウチェンジがアイリッシュサラブレッドマーケティングカップ(芝1600m)に出走し9着だった過去があり、良績は今の所ありません。
今回はサトノグランツ、ゼッフィーロ、ノースブリッジなどの日本でも実績のある馬が挑戦することになるので、活躍を期待したいですね。
気候を考えても、ドバイやサウジアラビアとそこまで馬場が違うことはないでしょうから、日本馬に取っては力を出しやすい舞台なのではないでしょうか?
中継の有無
日本のグリーンチャンネルでの中継はないようです。
馬券発売がなくとも、グリーンチャンネルの無料中継があることはしばしばあったので、今回も期待していたのですが残念ながらなさそうです。
https://www.youtube.com/@qrectv
しかし、上記のリンクから飛ぶことのできる現地YouTubeチャンネルQREC TVという現地の公式YouTubeにて去年はLive映像の配信が行われていたことが確認できており、最近も様々な競馬中継を行なっているので、当日こちらのLive配信にて、中継を確認することができそうです。
馬券発売の有無
日本での農林水産省の指定レースにアミールトロフィーは含まれていないため、国内での馬券発売は残念ながらありません。
また、現地でもイスラム教の国のため、賭け事が禁じられているため馬券発売は行われないようです。
私が訪れたことのあるドバイのメイダン競馬場でも、馬券発売はありませんでしたね。
注目馬解説
日本での馬券発売はありませんが、せっかくなので日本馬を含めて注目馬について簡単に解説していきたいと思います。
日本馬
ゼッフィーロ
アルゼンチン共和国杯を勝利した時のジョッキー、モレイラ騎手とのコンビを再結成。
ディープインパクト産駒だが、母系は欧州系の重厚な血統で、母父デインヒル系、母母父サドラー、3代母がキングマンボの全きょうだいのモナヴァッシアと洋芝適性はなかなかありそうな血統背景。
実際、前走香港ヴァーズでも1馬身差の2着に入っており海外でも力を発揮できるところを示している。
ここは力を発揮できれば勝ち負けだと思うが、強豪ロシアンエンペラーが恐ろしい。
日本馬の中では最有力だろう。
ノースブリッジ
南半球で躍動し、自身も香港での良績があるモーリス産駒。
近走はしっかり負けてしまっているが、最後の勝ち鞍はAJCCという小回りコースで、今回の小さな競馬場には合いそう。
少しタフネスが求められるような馬場になれば浮上する可能性も。
サトノグランツ
サトノダイヤモンド産駒で母父はデインヒル系。
ダービー以外は2400mの成績は安定していて、得意の距離。
初海外遠征となるが、実力を発揮できるか?
海外馬
ロシアンエンペラー
連覇を狙うロシアンエンペラー、海外馬最有力だろう。
父ガリレオに母父FastnetRockという欧州と豪州をミックスさせたような血統。
去年はチャンピオンズ&チャターカップ(G1)で香港の超強豪馬ロマンチックウォリアーを抑えて勝利したこともあるG1馬。
去年と同じ香港スチュワースカップからのローテで、去年もこのレースでは負けていたので今年もしっかり負けているがそこまで気にしなくてもいいかも。
レベルスロマンス
こちらはDubawi産駒。元々ダートを走らせていたが途中から芝に転向している。前走はポリトラック(AW)を使っている。
2022年開催のブリーダーズカップターフ(G1)ではストーンエイジやミシュリフ、ブルームなどを抑えて優勝しているG1馬で、実績は十分。
BCターフのスピード馬場で活躍するかと思ったら、ダートでも走っていたし、馬場が重めのベルリン大賞でも活躍していて、馬の絶対能力の高さを感じる。
状態が問題なければ有力な1頭。
シムカミル
去年の凱旋門賞10着馬で、ベルリン大賞勝ち馬。
あまりベルリン大賞の勝利とこのレースへの直結性はないような気がするし、割と稍重や重馬場で構想しているイメージがありカタールの軽めの馬場が合うのか?という疑問はある。
なんでカタールに移籍したんだろう…?2022年にはジャパンCにも遠征していたが15着だった。
ホーンテッドドリーム
現地馬、2走前にイギリスからカタールに移籍している。
移籍後の戦績はカタールG3の芝2350mを勝利し、前走カタール条件戦をクビ差2着。母父ガリレオはモアナと共通しておりやや気になる。
イギリスにいた時も重賞には手が届いておらず条件戦レベルの馬なのでここで日本や香港の重賞クラスの馬と戦うにはやや格が足りないような気もする。
地元の地の利を活かして活躍できるか?中東もドバイやサウジは最近レベルが上がっており、100倍台のオッズの地元人気薄条件戦レベルの馬が馬券内に突っ込んでくることもあるため、今回この馬の着順でカタールのレベルを測りたい。
自分の現時点の認識ではドバイ>サウジ>カタール。
イスラー
14戦 4勝 (4-5-3-2)のイギリス馬。名門ゴスデン厩舎。
G2のプリンセスオブウェールズSを勝利していて、着順を見ても馬券外が2回しかない安定感を誇っている。(少なくとも馬券外の1度はオールウェザーを走っているので参考外か)
母は英オークス馬で血統的にも芝中距離に期待できそうではあるが、アスコット競馬場などイギリスのタフな競馬場での戦績と中東での芝の成績はあまり直結しないような気もするので、実績の割には軽視したい1頭。
パッションアンドグローリー
UAE所属の8歳馬。
過去にはグローリアスSというG3で勝利歴があり、G1バーデン大賞でも3着に入ったことがある実力馬ではあるが、直近3走(うち2走は今年)で12着、6着、6着と流石に衰えを感じずにはいられない。
ポイントロイズテイル
キーファーズの所有するブルームの全妹。
オブライエン厩舎所属で13戦 6勝 (6-1-2-4)と勝率も高い逃げ・先行馬。
6勝のうちG2愛フューチュリティSなど重賞を4勝しており、ハイレベルなレースで勝利しているのは頼もしい。G1の愛ナショナルSでも2着にきており、実績は今回トップクラスに迫る1頭だろう。
今回前に行きたい有力馬が少ないためこの馬がハナを切る展開が予想され、日本馬や香港馬の差し馬を皆がマークする展開になるとこういった馬が逃げ残る可能性は十分ありそう。
馬券発売が仮にあるとすれば、この馬は紐には必ず入れておきたい1頭。
ヨーロッパ戦績のみだと適性が不安だが、バーレーンのG3で前走3着に入っているので、ものすごく良いとは言えないが最低限こなせるレベルにはあるのではないかと考える。
ジェフクーンズ
イギリスからの移籍馬で父フランケル母父Dubawiという良血馬。
移籍後初戦でいきなりカタールG1のカタールダービーを勝利しているものの…国際重賞扱いではなくレースレベルはどうなのか?
イギリス時代もオールウェザーの条件戦で走っていたりしていて、さすがにここでは実力が一枚足りないような気もする。
同時視聴配信告知
2月17日(土)21時〜同時視聴配信Liveを行う予定です。
馬券発売はありませんが皆でわいわいチャットしながら、日本馬を応援しましょう〜!
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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