海外馬主によるジャパンC2022参戦の海外馬全頭分析!!

どうも、ジェイです。

今回は豪州共有馬主をしている海外馬主の筆者が、2022年11月27日(日)に行われる予定のジャパンカップ・東京芝2400mに出走予定の外国馬について、解説する記事を書いていこうと思います。

前回執筆した記事、エリザベス女王杯でのマジカルラグーンについて、現地戦績から「重馬場だったら評価を下げたほうがいい」と記載。

レースでは重馬場だけが原因かは不明ですが、4角手前から失速し大敗しました。

ジャパンカップでもばっちりと予想を当てていきたいと思います。

それにしても今年は国際厩舎整備や賞金増額などの影響からか、海外有力馬の参戦が目立ちますね。

平坦馬場のスピードコースと、欧州とは特に異なる要素が求められるレースではありますが、海外参戦馬が増えてくれると国内も盛り上がるので、1人の海外競馬ファンとしてとてもうれしく思います。

それでは、早速いってみましょう。

※参考:JRA、JRA-VAN WORLD等

オネスト(フランス)

3歳牡馬・アイルランド産
戦績 通算8戦3勝[3-2-0-3]

〜主な戦績〜

2022年 凱旋門賞(G1) パリロンシャン芝2400m重 10着

2022年 愛チャンピオンステークス(G1) レパーズタウン芝2000m重 2着
2022年 パリ大賞(G1) パリロンシャン芝2400m稍重 1着
2022年 グレフュール賞(G2) サンクルー芝2100m稍重 1着

父 Frankel 母父:Sea The Stars

調教師 F・シャペ
鞍上 Cルメール

〜コメント〜

ソウルスターリングをはじめとして、日本の馬場適性を見せているFrankel産駒。

母父See The Starsでどちらかというと凱旋門賞血統、直近の凱旋門賞では10着に沈んだが、

同じコースのパリ大賞で勝利していることからも、本来の適性はそちらにあるのだろう。

能力でどこまで日本の東京芝2400mのコースに対応できるか?がカギになる。

稍重馬場で勝利しているグレフュール賞のサンクルー競馬場や、好走したレパーズタウン競馬場、パリロンシャン競馬場はそれぞれ高低差約10mの競馬場。

日本で最も起伏がある中山競馬場でも高低差は5.3mなので、日本の平坦コースとは、かなり違いがある。

Frankel産駒だからといって「日本の馬場でも問題ないだろう」はいささか早計。

一方、2着に入った愛チャンピオンSでは、ルクセンブルクに半馬身の先着を許したものの、仏ダービー馬ヴァデニを3着に抑えるなど、ハイレベルな相手と互角にやりあっている実力馬。

パリ大賞では同じく来日予定のシムカミルにもクビ差ではあるものの先着して勝利していて、今回来日する馬たちの中で実績はNo1だろう。

ちなみにパリ大賞のレース映像を見ると、クビ差とあるが実質最後甘くなったけで、ほぼ半馬身差くらいはついているような印象を受ける。

凱旋門賞は極端な重馬場が合わなかったとすれば度外視できる。

当日稍重あたりで、キレ勝負よりスタミナ勝負になる展開であれば、名手ルメール騎手の導きで久しぶりの海外馬が馬券内に食い込む可能性は大いにあると考える。

日本での重馬場までは許容範囲、不良馬場までいくと少しマイナスかと思う。

逆に当日パンパンの良馬場で、直線のキレ勝負になるようなトラックであれば、この馬の能力は発揮しにくくなりそう。

懸念点を挙げるとすると、この馬は後ろに控えて差すタイプの競馬。

欧州は少頭数レースが多いので仕方ない部分もあるが、勝ち鞍は少頭数レースばかり。

多頭数レースで馬群を捌きながら、末脚をしっかり発揮できる操作性があるのか?不安要素の1つにはなりそう。




グランドグローリー(フランス)


6歳牝馬・イギリス産
戦績 通算23戦8勝[8-4-4-7]

〜主な戦績〜

2022年 凱旋門賞(G1) パリロンシャン芝2400m重 5着

2022年 プリンスオブウェールズステークス(G1)アスコット芝1990m良 3着
2021年 オペラ賞(G1) パリロンシャン芝2000m重 2着
2021年 ジャンロマネ賞(G1) ドーヴィル芝2000m稍 1着

2021年 ジャパンカップ(G1) 東京芝2400m良 5着
父 Olympic Glory 母父:Daylami

調教師 ビエトリーニ
騎手 ギュイヨン

〜コメント〜

去年ジャパンカップ5着馬が連続して参戦。

2度目の遠征になるため、陣営は「去年よりも状態はいい」と話している。

実際今年から東京競馬場の国際厩舎が新設されたため、検疫がスムーズになっている。

小さな変化だと思うかもしれないが、長距離輸送から前哨戦なしのぶっつけでG1レースで使うことを考えると、これは大きなアドバンテージになりそう。

また、この馬は去年のジャパンカップで掲示板を確保する走りを見せたかと思えば、重馬場でタフネスが求められ、日本馬が軒並み沈んだ凱旋門賞でも5着に入るという適応能力の高さを見せている。

高低差があるスタミナコースでも、平坦なスピードコースでも力を発揮する適応力の高さは目を見張るものがある。

もともとは去年のジャパンカップで引退予定だったが、好走を受けて現役続行。

その後も欧州でプリンスオブウェールズSで日本から挑戦したシャフリヤールにアタマ差ながら先着するなどハイレベルなレースで善戦している。

今回こそレース後引退ということで、お釣りなしの究極仕上げをしてくる可能性大。

筆者は海外馬・日本馬に限らずお釣りなしの極限仕上げができる引退レースというのは普段の実力の最大2〜3割増しでレースに臨めると考えている。

グランドグローリーは引退後は社台Fで繁殖牝馬になることが内定していて、ギリギリまで仕上げれば去年以上の着順も今回の相手関係ならあり得るだろう。

海外馬勢ではオネストに人気が集まると思うが、こちらも負けず劣らずの1頭。

馬場は不問で去年は良馬場で5着、当日パンパンの良馬場なら海外馬最上位評価にしてもいいと思う。

血統的に見るとデインヒルやマキャベリアンなど、日本の芝レースで活躍する血が散見される他、アルザオとライトオブホープの全兄妹クロスでリファールもクロス。

去年好走したのもうなづける、日本にもマッチしそうな要素を多く持っている。

それにしてもこのボトムラインはすごい、SS系種牡馬を種付けするのだろうか?

レース前ではあるが、引退後も産駒の誕生が今から楽しみな1頭だ。

無事に引退レースを終えて繁殖として活躍してほしい。

シムカミル(フランス)


3歳牡馬・アイルランド産
戦績 通算9戦4勝 [4-4-0-1]
〜主な戦績 〜

2022年 ニエル賞(G2)パリロンシャン芝2400m重 1着
2022年 パリ大賞(G1)パリロンシャン芝2400m稍重 2着
2022年 リス賞(G3) シャンティイ芝2400m稍重1着
父 Tamayuz 母父:Pivotal

調教師 ワッテル
騎手 ブノワ

G2ニエル賞の勝馬、同レースに出走したドウデュースは4着だった。

凱旋門賞にコマを進めたら狙っていこうと思っていた馬だが、早々にジャパンカップ参戦を陣営が表明し、残念に思った記憶がある。

逆に凱旋門賞のステップレースであるニエル賞を制覇したのに、凱旋門賞をスキップしあえてジャパンCに来たあたり、凱旋門賞を使った後のオネストよりもこちらに照準を合わせて調整してきている様子が伺え、勝負気配はありそう。

G1での勝利がなく、騎手もありオネストのほうが人気すると思うが、この馬とオネストの力の差はそこまでないと筆者は考える。

というのも、2走前のG1パリ大賞では、オネストに敗れたもののクビ差の2着。(見た目は半馬身差くらい)

早めにかわされたものの粘り強くついていき、1度は1馬身ほど差をつけらるも最後は再び距離を詰める勝負根性も見せている。

そして日本の馬場であれば、筆者はシムカミルのほうが結果を出せる可能性があるのではないか?と考えている。

この馬もパリロンシャンやシャンティイなど、高低差約10mの競馬場で好走している馬で、日本とは求められる適性が違う馬場で戦っている点は間違いない。

しかし日本から「先行馬や逃げ馬を連れて行った方が凱旋門賞で通用するのでは?」という論があるのと同じように、逆に欧州から日本に来る際にも「差し馬より先行馬や逃げ馬のほうが馬場の影響が少ないのでは?」と思っている。

日本のような高速馬場で、上がりのキレ勝負で普段スタミナ勝負をしている海外馬に軍配が上がるケースは果たしてどれほどあるだろうか?

また、少頭数レースが多い欧州の差し馬が、日本の多頭数レースでそのまま能力を発揮できるかも疑問だ。

そんな中、シムカミルの脚質は逃げ・先行馬。多頭数になる影響は少ない。

前々走G1パリ大賞は前述の通り、逃げてから粘っての2着。

前走G2ニエル賞では、3番手内目あたりで道中控え、じわじわと脚を伸ばしていき前の2頭をかわして勝利をおさめた。

じわじわ加速するスタミナ勝負に強い馬であり筆者は”稍重でこそ”狙いたいが、陣営は「良馬場の方がいい」とコメントしている。

厳しいペースになり、ロングスパートの削りあいのような展開になったときこそ能力を見せる馬だろう。

血統的にはヌレイエフクロスが入り日本馬場にはやはり重めに見えるが、ダンジグやガルチなど、スピード要素の血統も持っている。

テュネス(ドイツ)

3歳牡馬・ドイツ産

戦績 通算6戦5勝[5-1-0-0]
〜主な戦績〜

2022年 バイエルン大賞(G1)ミュンヘン芝2400m不 1着
2022年 独セントレジャー(G3)ドルトムント芝2800m重 1着
2021年 ラティボール公爵賞(G3)クレフェルト芝1700m重 1着
父 Guiliani 母父:Toylsome


調教師 シールゲン
騎手 B・ムルザバエフ

凱旋門賞馬トルカータータッソの半兄弟。

6戦5勝で2着1回と抜群の安定感。

前走G1バイエルン大賞では、5頭立てながら果敢に先行・ハナをきると、そのまま直線では後続に10馬身差をつける圧巻のレースだった。

兄トルカータータッソも重馬場で活躍するドイツ血統馬。

本馬の戦績を見ても重馬場や不良馬場での良績が目立つ。

極端な重馬場や不良馬場になるのであれば、ぜひ相手に入れておきたい1頭。

一方今の天気予報だと土曜日に少し雨が降る予定で日曜日は晴れ予報。

そこまで馬場が荒れそうな予報ではないので、良馬場や稍重でスピードが出る馬場であれば少し評価を下げてもいいかもしれない。

サイン馬券がお好きな方は、サッカー日本代表がドイツに勝利したリベンジがここで果たされると踏んで、この馬から買うのもアリかもしれない(笑)

枠順を見て

オネストは難しい枠に入ったと思った。内で閉じ込められる展開になった時に、馬群を捌けるのかがポイントになりそう。

一方、シムカミルは陣営は真ん中あたりが、と言っていたようだが内枠はプラスだと思う。

隣のオネストも前に行きたいタイプの馬ではないので、スムーズにポジションを取れそう。

ロスなく5番手あたりにつけて、直線馬場のいいところを通って好位差しを決められれば馬券内もあるか?

テュネスとグランドグローリーはそれぞれ力を出せそうないい枠に入った。

あとはこの馬たちに向く馬場になるかどうか?これに尽きる。

ジェイの最終見解

良馬場 グランドグローリー>シムカミル≧オネスト>>テュネス

稍重  シムカミル≧グランドグローリー≧オネスト>テュネス

重 グランドグローリー≧シムカミル>オネスト≧テュネス

不良 テュネス>グランドグローリー>シムカミル>オネスト

全体的には稍重〜重で狙いたい馬が多い。

先行馬が軒並み総崩れのトラックであればシムカミルの評価を割り引いてオネストをあげるべき、これは当日判断。

オネストはルメール騎手のマジック炸裂すれば1発の可能性あるが、全てがはまった時に炸裂する打率低いホームランバッターイメージ。

外国馬だけで馬券内に来る可能性が高そうなのはシムカミルとグランドグローリーだと思う。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

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