今回はXやnoteで活動されているのあさんにゲストライターとしてご参加いただき、京都サラブレッド2023年募集馬の中でも人気を集めるミラクルロンドの22について分析する記事を書いていきます、よろしくお願いします。
ゲストライターのあさんの分析
まえがき
京サラの22年産が募集開始間近で大いに盛り上がっているという事で、現在1番人気になりそうなミラクルロンドの22の血統考察をしてみたいと思います♪
今年の募集馬はレベルは過去1番高いとは思うんですが、血統派的には配合的妙味だったりの部分で魅力的な仔が少なく感じていて、血統表内の個々の血を精査する程度の仔が多かったんですが、この仔は考察していて面白かったので書いてみます♪
血統考察
根幹となる血
まずは血統構成ですが、父ファインニードル、母父フジキセキの牡馬。
これだけでみれば、スピードがあって短距離で堅実に稼いでくれそう、という感想ではないでしょうか。
ところが血統表を眺めてみると、ちょっとちょっとそうじゃないんじゃない!?と思ってきます。
注目すべき1番のポイントはやはりKris5×5であることですね。
ファインニードルは母系にシャーペンアップを持っているので、シャーペンアップの6×5×6です。
遠く感じるかもしれませんし、この血が主導となるとは言えませんが、この血が持つ適性が本馬の根幹を成す可能性を強く感じています。
まずはその根幹を成すであろうシャーペンアップの血を浚えましょう。
シャーペンアップはエタン系(ネイティブダンサー系)で豊富なスタミナを伝え、それを活かせる長距離に適性を伸ばします。
そしてシャーペンアップを3本持っているという事でハイペリオンのクロスも所有しており、ハイペリオンは勝負強く前粘りを持ち味とし大箱コースでの直線加速に富んだ血です。
これらの血を深いところで色濃く持っているという点が本馬の血統的幹となる可能性は大いにあります。
正確には適性的幹と言った方が良いかもしれません。
枝葉となる血
ではその幹となる血と適性にどういう枝葉をつけているのかという点を見ていきましょう。
まず前提として言っておきたいのはファインニードルって変、という事です。
そもそもがこの父系がエンドスウィープから変なんです。
フォーティナイナー系でありながらエンドスウィープは芝の中長距離に適性を伸ばしましたし、アドマイヤムーンはその異質さを受けて前述の適性を持ちながら種牡馬としては短距離馬を多数輩出しました。
アドマイヤムーン自身はシャーペンアップを含めてスタミナ豊富な構成ではありますしその適性を示しても不思議はないんですが、その血を受けてかつファインニードルの母もシャーリーハイツ、ニジンスキー、シャーペンアップという血の構成でありながらスプリンターでした。
ニジンスキーはいわずもがなですが、シャーリーハイツも柔らかく豊富なスタミナと重厚さを併せ持つ血を持っており、とてもスプリンターの血統表とは思えないものになっています。
そしてミラクルロンドもフジキセキからワイルドリスクを、母系からはリヴァーマン、リファール、シャーペンアップを継いでいます。
またハイエストオナー(グレイソブリン系)を持ちナスキロの柔らかさも加味されており、上記の全てを総合するととてもとてもゴリゴリムキムキのスプリンターとしての適性を見出せません。
結論と打算
ここまでの事を踏まえて血統的結論としますと、スプリンター実績のある種牡馬とそこへ適性を持つ母父を持っているにも関わらず、スプリンターとしての資質を見出せない仔という結論に至ります。
むしろ中長距離で期待したい血統構成であり、強烈なスピードを享受していたとしても距離の下限はマイルまでという感じでしょうか。
もちろん気性的なものでも大きく左右されますし、サクラバクシンオーの様にスプリントをスタミナで勝ち切る馬もいるので、そういうベクトルの適性が必ずしも長い距離への礎になるとは限りませんが、やはり血統派としては中距離以上で見てみたい血統構成ではあるかと思います。
そうなると、出資対象の競走馬である事を考えれば、この端的な血統構成(漠然としたスプリンター感)でそういった距離を使ってもらえる可能性はあるのか、という点に意識がいきます。
出資する以上は当然の打算が生まれますよね。(笑)
この点は厩舎が佐々木晶先生なので、けっこう期待できそうな気もしてます。
あまり漠然とした型にはまるタイプの先生ではないように感じていますし、厩舎も含めてそこには期待しています。
ただし、血統的に私がそういう見解に至っただけなので、シンプルにバリバリのスプリンターである可能性も十分にあります。
血統派として、上記の見解を得たから、そう願うそれだけです。
あとがき
という事で、この本馬はめちゃめちゃ面白いと思いながら、人にはなかなかオススメしづらい一頭であるという結論に至りました。
ただ単純に夢があるし、どういう結果になるのかの興味は尽きませんね。
私自身は出資しますし、非常に楽しみにしている一頭です。
以上でミラクルロンド22の血統考察を終わります。
ご一読いただきありがとうございました、皆様の検討の一助となれば幸いです♪
皆さま、良い一口ライフを♪
ジェイの分析
のあさんから血統面について大変詳しく分析していただきましたので、私の方からは馬体、歩様面の分析をさせていただきます。
サイズ
サイズ面は体高153cm 胸囲176cm 体重432kgとスプリンターとしてはもうヒトオシ欲しいところではあるものの、胸の深さはしっかりとありますし、ミラクルロンドの22は5月5日生まれですから今後の成長する余地もあるのではないかと思います。
460kgデビューくらいになってくれると嬉しいですね。血統的にもマイル以下で活躍する馬になると思いますので、筋肉量がもう少しこれからの育成で増えて馬体重が重くなってくるといいかなと思います。
立ち姿
立ち姿の写真を見ると、前後のバランスの良さと容量が十分あるトモがまず目を惹きます。
静止画なので奇跡の一枚かもしれませんが、毛艶も美しく見栄えする馬体ですね。
トモの筋肉の締まり感はまだまだこれからでしょうが、5月生まれということを考えれば現時点では十分かなと思います。
中臀筋の立体感やヨロの発達も確認できますし、なかなか面白い馬だと思います。
ただ、そこまでトモ高のシルエットというわけでもないので、ここから大きく成長するということもないのかなとも感じました。現時点で完成度が高い1頭です。
歩様
歩様動画を見て、この金額(1口1.4万円)でこの歩きをできる馬に出資できるなら正直めちゃくちゃいいなと思いました。
自分が入っているクラブ、例えばノルマンディーに1口2万円でこの馬が募集されていても僕は多分申し込んでいたと思います。
まず歩きをみて感じたのは、キビキビと推進力がありナチュラルスピードが速いウォーキングをできているなという点です。
気性も良さそうですよね、前向きさがありそうです。
また、素晴らしいと思ったのが背中を柔らかく使って歩けている点。
京サラの募集馬の中でもこのミラクルロンドの22は特に、首と背中をうまく連動させながら歩けていて、よく見えました。
実は、父のファインニードルもスプリンターでしたが歩様を見ると柔らかさがあり背中を柔らかく使っている印象があり、この父の良さを受け継いでいるなと感じましたね。
歩様のストライドは父より広め、特に後ろ脚の可動域は広めに感じました。
このことから、ゴリゴリのスプリンターというよりは1600mの芝レースで活躍するのではないかな?と私は思います。
胴伸びもいいスタイルですしね。
この考えであったため、短距離は微妙かな?と思っていたのですが前段のあさんに書いていただいた文章を読みながらなるほどと合点がいきました。
血統的には中距離要素も多いということで、スプリンターよりも中距離、逆に下限はマイルと書かれていますね。
馬体歩様をみている限り、距離は全然持ちそうな気がします。
むしろスプリンターっぽくはないと私も思います。
そういった意味では血統から導き出される馬体のイメージと、実際の馬体が一致しているので、スプリンターを希望している方からすれば肩透かし感があるかもしれませんが、整合性があるという意味では私は非常に面白い1頭だと思いました。
遅生まれですが飛節のブレは少なく安定感があります。始動がそこまで遅くなることもないのではないかと思います。
総合的にいい馬だと思います、人気になるのもうなづける1頭でした。
〜〜〜ゲストライター〜〜〜〜
のあ
ターファイトと京サラにて出資中。
出資馬-バブルアップハート・ケーヴァラ・ガラシュ・アドマーニ・リフレイン・テンダーデイズ・テルセイラ・ユーヴェリア・スプレンダー22・デューフォール22。
note:https://note.com/noa_in_the_hole
X(Twitter):@noa_in_the_hole
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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