ノルマンディーオーナーズクラブ2022年産4次募集全頭分析を行っていきます。
見解は全てジェイの私見です。出資は自己責任でお願いいたします。
ジェイの主な共有馬はトゥルーフェアリー(G1オーストラリアンオークス・G1ヴァイナリースタッドS出走)ドーンエクスプレス(川崎2勝)リレーションハート(門別・大井各1勝)出資馬は、ロードヴァレンチ(オープン)ミスティックロア(オープン)ヴァナルガンド(2勝C)ベストミーエヴァー(スイートピーS3着)などです。
トップハットタンゴの22
Volatile
(Graydar) 牝 5/1 黒鹿
セリ情報
2024 Spring 2YO in Training Sale
HIP NO.797
NAME:-
SIRE:VOLATILE
DAM:TOP HAT TANGO
CONSIGNOR:DE MERIC SALES, AGENT XXVII
SEX:F
LOCATION:BARN 12
UT TIME:10.3
STATE:KY
FOALING DATE:05/01/2022
BUYER:OKADA STUD
PRICE:$85,000
血統
父Volatileは本馬を含む2歳世代が初年度産駒で種牡馬としての能力は未知数です。現在7頭が出走し1頭が勝ち上がり、最も活躍しているのは執筆時点で3万米ドル以上を稼いでいるAguas de Cristalという馬です。
2024年の種付け料は1.5万ドルのようです。
父Volatileの戦績は以下の通り。
Won at 3
- An allowance race at Churchill Downs(6f, D, defeating Easy Shot, Haydens Havoc, Royal Daaher, Coltonator, House Limit, Riverboat Gambler). Replay
- A maiden special weight race at Ellis Park(6f, D, defeating Encinitas, Mr Dumas, Winnipesaukee, Nola Win, Greenspan, Keepin It Classy, Final Call, Ice Sphere). Replay
Won at 4
- Alfred G. Vanderbilt H. (gr. I) at Saratoga(6f, D, defeating Whitmore, Mind Control, Firenze Fire). Replay
- Aristides S. at Churchill Downs(6f, D, defeating Honest Mischief, Manny Wah, Seven Nation Army, Heartwood, Bobby’s Wicked One). Replay
- An allowance optional claiming race at Oaklawn Park(6f, D, defeating Strike That, D’ Rapper, Strolling, Imma Bling, Oliver, Battle Station, Tut’s Revenge, Pete’s Play Call, Hot Shot Kid, Midnight Swap). Replay
4歳になってサラトガ競馬場でAlfred G. Vanderbilt HというG1を1勝しており、通算6戦5勝とそこを見せぬまま引退しています。
芦毛の馬だったのでレース動画を見るとどこにいるか見つけやすくて良いですね、気になる方は上記のリンクからアクセスして見てください。
父父のViolenceからは北米のG1馬Forteや、日本国内の馬ではジャスパープリンスが活躍しています。
国内で登録されて走っているViolence産駒は9頭なのですが、そのうち5頭が中央で複数勝利を挙げており日本への適性はありそうです。
とはいえこれは海外から導入された馬たちなので当然高額で仕入れた馬が多く、成績が良くなる傾向はあるのですが、それにしても優秀な成績を収めていると思います。
母産駒は2頭が出走し、1頭が勝ち上がり。勝ち上がった馬は3歳で2戦1勝(セリ時)とのこと。
2代母からは12頭生産、10頭がレースに出走し7頭が勝ち上がり。この中にはFast BulletというG2勝ち馬で種牡馬入りしている馬が出ています。
2代母から種牡馬入りする馬が出ている母系はなかなか重厚だと言えます。
さらに、3代母Brave Rajは最優秀2歳牝馬でBCジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬。
ファミリーの活力は素晴らしいものがあり、繁殖としての期待も込めて導入された牝馬だろうと推察されます。
ただ、繁殖としてだけでなく、結局繁殖として導入したいほど母系が豪華だということは競走成績にもつながるのでここはポジティブに捉えても良いと思います。
馬体・歩様
セリ上場時の歩様と立ち姿があるのでそちらを見てまずは検討してみましょう。
立ち姿は北米馬らしく、筋肉量が多くトモも大きく、しっかりしていてとても良く見えます。
ダートの短めの距離を意識する血統ですから、これだけ馬体がしっかりしていて前後のバランスもいいのは好印象です。
ただ、歩様動画の方を見ると立ち姿ほどトモのサイズ感を感じず、むしろすらっとして芝っぽく見えるほど。
歩様にも適度な柔らかさがあり、背中も使いながら歩けているのでなかなか良いですね。
芝馬にしてはちょっとだけ可動域が狭いかも?しれませんが、マイルくらいまでなら芝でもいけるかもしれませんね?ダートにしてはちょっとスタイリッシュかな?という感じもします。
歩様を見た印象はダート短距離というよりは芝ダートマイルくらいのイメージでしょうか?気性がよければ2000mくらいまでこなせてしまうのではないか?と思うほどです、胴伸びが良いんですよね、この子。
サトノダイヤモンド産駒っぽさ?に近いものを感じます。
前後のリズム感もなかなかいいですし、面白そうな1頭ですね。
欲を言えば、もう少しトモの力感が動画の中で欲しかったですが、そうなるとダート馬になるので芝馬牝馬としてはこのくらいでもいいのかもしれません。
ちょっと右向いて歩いている時の歩様がちょっと微妙に見えなくもないんですよね、歩くスピードの問題なのか、左右左なのかこの動画だけでは分かりませんが…。このあたりはクラブの募集動画でも要確認ですね。
ギャロップを見てみると、飛びが大きい感じがしますね。
小回りよりは大箱、東京マイルの芝スタートでスピードが求められるダートがベストでしょうか?
縦からの歩様がセリ上場時の動画にはないので、そこは募集時の動画を見て追記しようと思います。
【ノルマン公式歩様確認後】
やはりトモの筋肉がすごいですね。
個人的には好みの馬体です。前後のバランスもいいですね。セリの時よりもトモがしっかりして見えます。
背中の使い方もいいと思いますし、歩様も推進力があり、かなり良いのではないでしょうか?
ダート馬だと思いますが硬すぎず、でも芝っぽいほどは柔らかすぎず、こちらの動画ではいい塩梅だと思います。首との連動性はセリの時の動画の方がよく見えましたがね。
飛節安定感もいいですね。
一方前から見た時にやや前脚が外に開くところは惜しいところ。
この動画では特に右前が気になりますね、軸線を少しずれて外に出ているように見受けられます。
そもそも、ちょっと右前曲がってますかね?
他が良いだけに少しここは気になりましたね。
総評
繁殖を見据えての導入であることはほぼ間違いないと思いますし、ダートの短めの距離で戦う馬だと思うので外国産馬の牝馬(牝馬限定レースに出走できない)というのは大きなハンデを背負うことになります。
私は基本的にこの制約がかなり大きいと思っているので余程のことがないと外国産牝馬はスルーするようにはしていますが、セリの横からの歩様動画を見るだけでも興味深い1頭だと思います。
ノーブルロジャーも輩出しましたし、ノルマンディーが導入する海外セリ馬も今年は注目されるかと思います。
ただトレーニングセール出身馬は脚元にガタが来ている馬や、短い距離を最速で駆け抜ける練習ばかりをしており、競馬に使うには競馬用の調教をやり直さなければならず意外とすぐは使えないなど、デメリットもあります。
この辺りも考慮して、ノーブルロジャー1頭に引っ張られすぎず、冷静に検討したいところです。
横からの歩きはかなりいいと思います、外国産牝馬のデメリットや、右前のリスクは一定ありそうですが基本ダート馬なので芝寄り負担は少ないですしここをどう見るかですね。
前脚がバッチリ綺麗だったら様子見しつつの出資候補になった可能性もあります。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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