前回は「ワイド」の極意をお伝えしましたが、今回のターゲットは「枠連」です。オールドファンの方にとってはお馴染みの馬券かもしれませんが、最近競馬を知ったという人にはあまり聞きなれない券種かもしれません。とはいえ使いどころはあります。ぜひ最後までご覧ください。
<PON馬券塾バックナンバー>
意外とバカにできない枠連。枠連の買い時は3パターンある
「枠連」とは、1着と2着になる馬の枠番号の組合せを的中させる投票法。
登録馬が8頭以下の場合は発売がないので、組み合わせは必ず8×8÷2=36通りです。
28通りしかないので、初心者でも比較的当てやすい馬券の券種と言えるでしょう。
しかし、競馬場に行くと、枠連を買っている競馬ファンを見かけることはあまりありません。実際、枠連は全券種の中で最も売上の低い馬券です。
では、何故枠連が存在するのか。
理由は様々ですが、1番は昔からの名残の影響が強いのでしょう。
今でこそ様々な券種が存在しますが、1990年までは馬券の券種は単勝と複勝、そして枠連しかありませんでした。
なので、オールドファンがその名残で枠連をよく買うイメージです。
全券種の購入者の平均年齢を調査したら、恐らく枠連が1番高齢でしょう。笑
そんな、ある意味「馬券界の化石」と化している枠連ですが、
馬券購入者が少ないが故、オッズに歪みが生じやすい馬券になっております。
自分は、枠連を軸に馬券を購入することは基本的には中上級者にはお勧めしません。
というのも、穴を狙う場合枠連より馬連を購入する方が旨味があることがほとんどだからです。
しかし、歪みが生じやすい券種なので、場合によっては「馬連より枠連の方が配当がつく」場合があるので、
そこを見極めることでより多くの払い戻しを受けられることがあります。
これは大きく分けて3パターンあります。
①少頭数のレース
JRAのレースでは最大18頭立てなので、
同枠には最大で3頭まで入ることができます。
しかし少頭数のレースの場合、1頭しかいない枠(単枠)が多く散見されます。
この場合、同じ意味合いの馬券を買っていても、枠連と馬連でオッズに歪みが生じる場合が多いです。
馬連は{(頭数)×(頭数-1)÷2}通りの組み合わせが存在しますが、枠連は一貫して36通りしかない為、「当てやすい」という観点から枠連の方が配当が低いことが半分以上ですが、中には何故か枠連の方が配当がつく場合があります。
例を挙げると、2018年10月8日の京都大賞典です。
このレースは1着が2枠2番サトノダイヤモンド、2着が4枠4番レッドジェノヴァでした。
このレースは11頭立ての為、2枠にはサトノダイヤモンド、4枠にはレッドジェノヴァ、それぞれ1頭しか入っておりませんでした。
なので、「枠連2-4」と「馬連2-4」は、全く同じ馬券のはずです。
しかし、払い戻しはこちら。
何故か馬連より枠連の方が100円多く配当がつきました。
これが「オッズの歪み」なのです。
たかだか100円…と思う方もいるかも知れませんが、購入した金額分だけ払い戻しが返ってくると考えると、こんなありがたいことはないですよね。
②ゾロ目の枠連
枠連はJRAの券種で唯一、「ゾロ目」の買い目が発生します。
いわゆる「枠連1-1」などの馬券ですね。
この場合、例えば18頭立てのレースなら、「枠連1-1」と「馬連1-2」は、全く同じ意味の馬券です。
こういう時、①と全く同じ理論で、何故か馬連より枠連の方がオッズがつく事象が発生します。
例を挙げると、2019年3月24日の高松宮記念です。
このレースはフルゲート(18頭立て)で行われ、1着が2枠3番ミスターメロディ、2着が2枠4番セイウンコウセイでした。
なのでこのレースは枠連は2-2、馬連は3-4が的中です。
払い戻しはこちら。
なんと、馬連より枠連の方が2780円も配当がついたのです。
これは流石にバカにならない金額ですよね。
もし仮にこの馬連を1000円購入していたら、枠連を購入しなかったことで27800円、10000円購入していたら278000円も損をしていることになります。
③同枠に極端な人気薄がいる場合
これは意外と知られていないのではないでしょうか。
これは説明が難しいと思うので、先に実際のレースで解説します。
今年の2月19日に行われたフェブラリーステークス。
1着は4枠7番のレモンポップ(1番人気)。2着は8枠15番レッドルゼル(3番人気)でした。
なのでこのレース、枠連は4-8、馬連は7-15が的中です。
このレースはフルゲート(16頭立て)で行われた為、①の事象は発生せず、また②のようなゾロ目決着でもありません。
ですが、払い戻しはこちら。
なんと、①でも②でもない状況なのにも関わらず、枠連の方が馬連より170円も配当がついたのです。
枠連4-8は馬連でいうと「7-15」「7-16」「8-15」「8-16」の4通りを抑えていることになります。
それなのに「8-15」に限定している馬連よりも配当がつく、逆転現象が起こってしまったのです。
これは私の仮説なのですが、
この時、レッドルゼルの入っていた4枠のもう一頭は14番人気134.9倍のアドマイヤルプス、レモンポップの入っていた8枠は15番人気182.0倍のケイアイターコイズが入っておりました。
どちらの枠も「人気馬+極端な人気薄の馬」という組み合わせだったのです。
その為、単勝オッズが100倍を超える馬に期待する馬券購入者はほとんどおらず、わざわざ「8-15」以外の組み合わせが入ることで配当が安くなるであろう枠連を買う必要性を感じなかった人がほとんどだったのだと思います。
本当は枠連の方が配当がついたというのに。
※また余談なのですが、4枠8番のアドマイヤルプスが14番人気ながら5着に健闘しました。
「8-15」の馬連で決まる可能性もゼロではなかったと感じています。
枠連は時に思わぬボーナスが発生する
色々とお話ししましたが、先述した通り私は枠連は基本的には買わなくて良い馬券だと思っております。
枠連にはデメリットもあります。
例えば、③で説明したフェブラリーステークスの場合で、もし仮に断然人気のレモンポップが何らかの理由で締切後除外されてしまったパターン。
馬連やゾロ目の枠連だと返還がありますが、「4-8」の枠連は返還がなく、急に「14番人気アドマイヤルプスが来ないと当たらない馬券」という的中難度の高い馬券に変貌します。
しかも、締め切り後であればそれによりオッズが変わることはありません。
ただし、あえて枠連で買うことで思わぬボーナスを貰える場合がありますので、①②③のような事象に近いな?と感じた場合、時間に余裕があれば、馬連と枠連のオッズを見比べてみて、より配当がつく方を購入してはいかがでしょうか。
このように、各馬券の券種について、どういう買い方をしていったら良いのか、次回以降も考察していきたいと思います。次回は『馬連』です。お楽しみに!
PON馬券塾 PON
Youtuber
競馬予想系YouTube「PON HORSE CLUB」を運営。
江分輪太の弟子。馬券は穴から。
極度の現地観戦主義者で、1年間で競馬場に72回行ったことも。
ヤクルトスワローズ・川崎フロンターレ・大相撲・お笑い芸人・酒を愛する男。
一口馬主はキャロット・シルクに入会中。代表馬はシルブロン・アンクロワなど
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