どうも、豪州で共有馬主をしているジェイです。今回は2022年9月11日(日)に予定される凱旋門賞のステップレース、ニエル賞2022の予想コラムを書いていきたいと思います。
凱旋門賞挑戦を明言しているダービー馬、ドウデュース(DoDeuce)が出走とあって日本メディアでも取り上げられている注目のレースです。
ニエル賞G2(Prix Niel)概要
フランスのパリロンシャン競馬場で行われる芝2400mのG2レースです。凱旋門賞のステップレースとして位置付けられていて、凱旋門賞と同じ大コースを使用します。
向こう正面の約1000mの直線の間に10mの勾配を駆け上がり、その後すぐに下りに切り替わる、高低差が大きいコースです。
この高低差は、中山競馬場の約2倍といわれています。力の求められる洋芝に加え、直線の前には約250mの「フォルスストレート」も鬼門です。
下り坂でスピードがついた馬たちはこのフォルスストレートでスパートをかけてしまうこともあるといいます。
フォルスストレートを抜けた先の最後の直線は東京競馬場とほぼ同じ、約530mの長い直線になります。
凱旋門賞の季節には気候的に雨が多く、渋った馬場での開催も多い印象があります。私が凱旋門賞を現地観戦した改修直後の2018年も小雨が降っていました。
日本馬では2013年にキズナ、2016年にマカヒキがこのレースを勝利しています。その後キズナは凱旋門賞4着、マカヒキは14着でした。決して日本馬にとってニエル賞は相性の悪いレースではありません。
2019年にニエル賞を優勝したソットサスはその後凱旋門賞に向かい3着。翌年の凱旋門賞にはアイリッシュチャンピオンステークスG1を4着からのローテで挑み、見事優勝を果たしています。
ドウデュースの勝算は?
ドウデュースはハーツクライ産駒の3歳牡馬です。ハーツクライ産駒はスタミナが豊富でパワーの必要な馬場を得意とし、芝中距離以上での活躍が多いです。
主な勝ち鞍は朝日FSや日本ダービー。皐月賞は3着に入っています。
当初は日本ダービー後、凱旋門賞直行を示唆していましたが、前哨戦であるニエル賞を使うプランに変更しました。馬主のキーファーズ(松島氏)は『武豊騎手と凱旋門賞制覇』を目標に掲げています。
今回の挑戦で悲願達成となるか注目です。
5代血統を見て見ると、ハーツクライ産駒の好走傾向である母系が米血で固められています。
欧州で主に活躍しているサドラー、ヌレイエフなどといったスペシャル牝系やダンジグ系の血は入っていません。
ものすごく欧州適性のありそうな血統には正直見えません。しかし、今回現地で本命視されていたG1パリ大賞典勝ち馬のオネストが回避し、レース実績では間違いなくドウデュースが最高クラスだと思います。
現地ブックメーカーでは1番人気に支持されています。ライバル筆頭はパリ大賞典2着馬のシムカミルでしょうか?
凱旋門賞で好走を見据えるためにもここは挑戦者的な立場ではなく、横綱相撲でしっかり勝ち切りたいレースと位置付けられると思います。
海外のライバル馬全頭短評
シムカミル
アイルランド生産の3歳牡馬で調教師はS Wattel(フランス)です。
父Tamayuz母父Pivotalで、現地想定2番人気です。
8戦(3-4-0-1)とデビュー戦の8着以外はすべて連に絡む安定感を誇ります。
前々走フランスのシャンティイ競馬場で行われたG3リス賞・芝2400mではハナを切り、最後の直線では楽な手ごたえで後続を突き放し重賞初制覇。
前走ロンシャンで行われたG1パリ大賞典・芝2400mでも、ハナを切り最後の直線では早めに勝馬オネストに外から交わされるも食らいつき、3/4馬身差ほどの2着に粘りました。パリロンシャンでの経験もあり、強力なライバルになると思います。
ラッソー
フランス生産の3歳牡馬で調教師はJ-C Rouget(フランス)です。
父Almanzor母父Sinndarで、現地3番人気想定です。
6戦(3-0-1-2)で着外の2回はG1仏2000ギニー・芝1600m5着とG1仏ダービー・芝2100m8着とともにG1の舞台です。
パリロンシャン競馬場では、G1仏2000ギニーとその直前に出走した一般競争・芝1600mの2度出走歴があり、一般競争は勝利しています。
前走はドーヴィル競馬場のリステッド競争、ヌレイエフ賞・芝2000mでCデムーロ機種を背に勝利しています。今回再び重賞出走となり、通用するかがポイントです。2400mは初出走です。父Almanzorはマイル~2100mで活躍した馬でした。
トゥルーテスタメント
アイルランド生産の3歳牡馬で、調教師は名門A Fabre(フランス)です。
父Siyouni母父Galileoで、現地4番人気想定です。
6戦(3-1-1-1)と着外はデビュー戦の芝1200mのレースで、これは適正外だった可能性もあるので度外視でよいと思います。
前々走パリロンシャンの一般競争・芝2400mで勝利しており、コース適正はありそうです。シャンティ競馬場で行われたG3コンデ賞・芝1800mでは早めに先頭に立って粘り1馬身差ほどの2着。
前走ドーヴィル競馬場で行われたG2ギヨームドルナーノ賞・芝2000mでは内の2頭が伸びる中、中段に控えて外から差し足を伸ばして2着馬に半馬身差の3着と重賞でも安定感のある走りをしています。
堅実な走りを続けているだけに侮れない1頭だと思います。
ラストロノーム
イギリス生産の3歳牡馬で調教師はF-H Graffard(フランス)です。
父Frankel母父Giant’s Causewayで、現地5番人気想定です。
5戦(3-1-0-1)で前走はシムカミルと同じG1パリ大賞典・芝2400mで6頭立て5着でした。
しかし、パリ大賞典はスタート出遅れの影響があったため、スタート出られていればもう少し着順は良かったかもしれません。ただシムカミルとの着差がひっくり返るほどか?と言われると個人的にはまだシムカミルの方が上だと思います。
前々走パリロンシャンのG2オーカル賞・芝2200mは、2着馬との追い比べで勝負根性を見せ、しぶとく伸びて勝利しました。これまで5戦中、4戦はパリロンシャンで走っていて、最もコース経験は豊富な1頭です。
アイハル
アイルランド生産馬の3歳牡馬で調教師は名門A P O’Brien(アイルランド)です。
父Galileo母父Fastnet Rockで、現地6番人気想定です。
7戦(2-1-0-4)で前前走、カラ競馬場のG3ARMホールディングス国際S・芝2000mで勝利しています。
前走が初めての芝2400mのレース。ヨーク競馬場のG2グレートヴォルティジュールS・芝2400mでは3番人気に支持されるも、6頭立て6着。着差もかなり離されていました。
前走、前前走以外はマイル以下のレースに出走しています、2400mの距離も課題の1つになるかもしれません。
デピュティルーラー
アイルランド生産馬の3歳牡馬で調教師はIngrid Janackova Koplikova(チェコ)です。
父Elzaam母父Elusive Qualityで、現地7番人気想定です。
2戦(0-1-0-1)とキャリアは浅く未勝利馬になります。
デビュー戦はサンクルー競馬場の未勝利戦・芝2000mで2着。その後望んだヴィシー競馬場のリステッド競争フレデリックドラグランジュ賞・芝2400mで5着でした。
現状の戦績だけを見ると、流石に厳しい気もしますが、キャリアが浅いため底を見せない魅力があります。
最終結論
◎ドウデュース
◯シムカミル
▲トゥルーテスタメント
△ラストロノーム
いかがでしたか?レース当日はグリーンチャンネル等で中継を視聴することも可能なようです。凱旋門賞に向けて、日本馬の弾みをつける活躍を期待し、結びとしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
記事を書いた人 ジェイ
登録者4000人超え&累計再生200万回超えの元一口馬主YouTuber。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSSの豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統の配合相性を重視していて代表馬はロードヴァレンチ、リレーションハート等。
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