今回は血統大好き一口馬主YouTuberのこもこもと牝系研究家の貴シンジがテシオ理論を勉強されているえーくんさんにインタビューをさせていただきました。

同じ「血統」というファクターを中心にサラブレッドを見つめながらも、全く異なる角度からアプローチしている三人。果たしてどのような話題が展開されるでしょうか。

テシオ理論についてえーくんさんに解説していただいた記事はこちらです。ベースとなる内容が難しいので先に解説記事を読んでいただくことをお勧めします。

こもこも＝こ

貴シンジ＝貴

えーくん＝え

こ　今日はお二人と対談ができるということで楽しみにしていました。よろしくお願いします。

貴　お時間いただきありがとうございます。よろしくお願いします。

え　よろしくお願いいたします！

貴　テシオ理論の記事、拝見しました。私は生物学をベースとして血統を考えているのでテシオ理論とは考え方が食い違う箇所もいくつかあります。そのあたりについて今日は伺っていければと思います。早速質問よろしいですか？

え　どうぞ！

優先祖先が牡馬限定なわけは？

貴　テシオ理論では父の活性値と母方の最も値が大きい種牡馬の活性値を比較して、値が大きい方を優先祖先にするというルールがあると思いますが、優先されるのが牡馬に限定されるのはなぜでしょうか？

え　一般的には父と母の役割は同一と考えられていますが、テシオ理論ではミトコンドリアの母系遺伝を根拠として牡馬は「能力の形質」、牝馬は「体力や能力を決定する役割」として区別しています。

こ　それはつまり優先祖先が優れていると活躍馬が出るということですか？

え　そういうわけではありません。種付けイベントについても重要です。例えば初回の発情であったりより自然に近いサイクルで種付けを行うことも重要です。

こ　牝馬側のタイミングも重要なんですね。種牡馬の当たり年や外れ年にもその活性値は影響するんですか？

え　種牡馬によって優勢期に強い種牡馬、劣勢期に強い種牡馬がいるので一概に優勢期だから良いというわけではありません。走らせてみないとわからない部分でもありますね。

ゼロ活性期であれば極度にきつい近親交配も問題はない？

貴　ゼロ活性期と呼ばれる年であれば全く自身を遺伝しないと聞きましたがどうでしょうか？生物学を中心に考える立場としてはこの部分の理解が及んでいません。

え　テシオ理論ではゼロ活性期であれば種牡馬からは全く遺伝子を受け継がないという考え方をします。従って1×2や2×2などの近親交配であっても弊害はありません。Coronationという馬がいるんですが、この馬はTourbillonの2×2、Teddyの4×4という極めてきつい近親交配でした。一般的にはこのような近親交配の馬が活躍することは少ないですが、Coronationは父Djebelのゼロ活性期の産駒でした。つまり父方から遺伝子は受け継いでおらず前述のクロスも無効化されたのです。

貴　なるほど…。テシオ理論は馬以外にも当てはまるんですか？人間が支配下に置く多くの動物は品種改良の過程で極度の近親交配を行うことがあります。その際、近親交配の弊害とも言える遺伝病などで多数の個体の犠牲が出るわけですが、テシオ理論が科学的に証明でき、馬以外にも転用可能となればこの犠牲もなくなると思いますが。

え　全てがそのまま当てはまるわけではないですが、馬以外にも適用できる可能性はあると思います。8という数字はテシオにおいてサイクルを考えるための重要な数字です。これは太陽のサイクルといって24時間や閏年など地球上の様々な現象は8で割ることができるので、このことから馬以外にも適用できる可能性はあるかもしれないと考えています。

こ　難しい…！

貴　少なくとも私は現時点でテシオ理論を科学的に証明することはできないと思います。メンデルの法則など現在の生物学の考え方とは相反する部分もありますので。しかし、天動説が通説だった時代から地動説が証明されたように未来には180度考え方が変わっていても不思議ではありません。

こ　今回は質問に答えていただきありがとうございました。

ライター紹介

ゲストライター：けーばえーくん

家族の影響で幼い頃からの競馬ファン。
違う角度で競馬を見たい思いから2020年に一口馬主を始める。（今年3世代目）
昨年、SNSをキッカケに「テシオ理論」の勉強を始め、今年より自身の研究を織り交ぜたクラブ募集馬診断記事の掲載を開始した。
また、セリ市での注目馬診断も行っており、高評価した馬がOP勝ちを果たすなど、徐々に成果が見えてきている。
夢は「競走馬の生産に携わること」

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