今回は凱旋門賞2023予想記事の第二弾、海外有力馬について分析する記事を書いていきます。
※有力馬として紹介した馬の回避が多く読みづらい記事になってしまったので9月29日付の出走予定馬情報で更新しております。
当日はYouTubeで同時視聴LIVEも行いますのでぜひ遊びにきてください。
凱旋門賞概要
基本情報
日時:2023年10月1日 日本時間23時05分発走予定
開催:パリロンシャン競馬場(仏)
中継:フジテレビ系列「Mr.サンデー×S-PARK 超合体SP」orグリーンチャンネル無料放送
馬券発売:有り
レース紹介
凱旋門賞はフランスのパリロンシャン競馬場で行われる芝2400mのG1レースです。
昨年ドウデュースが挑戦した前哨戦のG2ニエル賞などと同じ大コースを使用します。芝は洋芝です。
向こう正面の約1000mの直線の間に10mの勾配を駆け上がり、その後すぐに下りに切り替わる、高低差が大きいコースです。
この高低差は、中山競馬場の約2倍です。隊列が決まるのが早く、ポジション争いが熾烈なこともポイントです。
力の求められる洋芝に加え、直線の前には約250mの「フォルスストレート」も鬼門です。
下り坂でスピードがついた馬たちはこのフォルスストレートでスパートをかけてしまうこともあるといいます。しっかりと我慢をきかせる必要があります。
フォルスストレートを抜けた先の最後の直線は東京競馬場とほぼ同じ、約530mの長い直線になります。
凱旋門賞はオープンストレッチといって、最後の直線は内ラチ沿いが約6m広がる構造になっています。進路を広くして内外の差をなくすためのギミックと言われています。
当日まで保護されていた内側の芝が痛んでいないため伸びることが多く、多くの馬は広がったインに寄っていきます。
凱旋門賞の季節には気候的に雨が多く、渋った馬場での開催が多い印象があります。
私が凱旋門賞を現地観戦した改修直後の2018年も小雨が降っていました。
※昨年は重馬場で雨の中の開催でした。今年は天気予報的には馬場状態は良さそうですが、フランスギャロが散水することで日本でいうところの稍重くらいになる可能性はあります。散水情報は要注意です
日本馬ではこれまでエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタやオルフェーヴルなどの2着が最高着順で勝利した馬はいません。
昨年もタイトルホルダー、ドウデュース、ステイフーリッシュ、ディープボンドと4頭が挑戦しましたが、最高着順はタイトルホルダーの11着でした。
凱旋門賞勝利は日本馬の悲願といわれて、近年は名だたる日本の名馬たちが挑戦していますが、好走からは遠ざかっています。
過去10年優勝馬一覧
2022年 10月2日 | イギリス | アルピニスタ | 牝5 | L.モリス | M.プレスコット | 2:35:71 |
2021年 10月3日 | ドイツ | トルカータータッソ | 牡4 | R.ピーチュレク | M.ヴァイス | 2:37:62 |
2020年 10月4日 | フランス | ソットサス | 牡4 | C.デムーロ | JC.ルジェ | 2:39:30 |
2019年 10月6日 | フランス | ヴァルトガイスト | 牡5 | P.ブドー | A.ファーブル | 2:31:97 |
2018年 10月7日 | イギリス | エネイブル | 牝4 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:29:24 |
2017年 10月1日 | イギリス | エネイブル | 牝3 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:28:69 |
2016年 10月2日 | アイルランド | ファウンド | 牝4 | R.ムーア | A.オブライエン | 2:23:61 |
2015年 10月4日 | イギリス | ゴールデンホーン | 牡3 | L.デットーリ | J.ゴスデン | 2:27:23 |
2014年 10月5日 | フランス | トレヴ | 牝4 | T.ジャルネ | C.ヘッドマーレック | 2:26:05 |
2013年 10月6日 | フランス | トレヴ | 牝3 | T.ジャルネ | C.ヘッドマーレック | 2:32:04 |
2012年 10月7日 | フランス | ソレミア | 牝4 | O.ペリエ | C.ラフォンパリアス | 2:37:68 |
⇨エネイブルとトレヴという怪物牝馬がいた影響もあるが斤量が軽い牝馬が優勢なことは近年の顕著な傾向。牝馬は必ず押さえておきたい。
また、3歳牡馬の斤量が2017年に改定され重くなった影響からか、3歳馬の活躍は直近では減っている。かつては、3歳馬か牝馬が勝つレースという印象があるほど3歳馬が躍動していた。
そのため、この要素をWで満たす3歳牝馬は実績不足だと感じてもとりあえず馬券の相手には入れておくのが吉だと思う。
近3年レース傾向分析
2022年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 性 | 齢 | 重量 | 騎手 | タイム 着差 | 調教師 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | アルピニスタ | 5.8 | 牝 | 5 | 58 | L.モリス | 2:35:71 | M.プレスコット | 6 |
2 | 15 | ヴァデニ | 10.3 | 牡 | 3 | 56.5 | C.スミヨン | 1/2 | JC.ルジェ | 2 |
3 | 2 | トルカータータッソ | 9.4 | 牡 | 5 | 59.5 | L.デットーリ | クビ | M.ヴァイス | 18 |
4 | 16 | アルハキーム | 30.0 | 牡 | 3 | 56.5 | C.デムーロ | 2 | JC.ルジェ | 4 |
5 | 13 | グランドグローリー | 87.3 | 牝 | 6 | 58 | M.ギュイヨン | 1 1/2 | G.ビエトリーニ | 9 |
⇨タイトルホルダーなど日本馬4頭が挑戦したが最高着順はタイトルホルダーの11着。牝馬と3歳馬のワンツーフィニッシュだった。昨年覇者のトルカータータッソも良い脚を使うも3着まで。
勝利したアルピニスタは4番手あたりの内側をロスなく進み、直線では芝が保護されていて走りやすい内ラチ沿いを選択。後続を振り切った。激しい雨の降る重馬場のレースで、日本では不良馬場判定になるのでは?と思えるほど土が掘れていた。日本馬が力を発揮できる馬場ではなかったのかもしれない。
4角で中団あたりまではポジションをあげないと差すにしても厳しい印象。
重い馬場でのドイツ馬やドイツで結果を出している馬は要注意。
トルカータータッソはドイツ馬、アルピニスタはバイエルン大賞勝ち馬だった。
今年の出走馬でドイツ成績が目立つのは前走ベルリン大賞勝ち馬のシムカミルか?
ヴァデニはドイツ成績はないものの、仏ダービー馬。
今年はエースインパクトが仏ダービー馬でヴァデニと同じく3歳で参戦予定。
2021年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 性 | 齢 | 重量 | 騎手 | タイム 着差 | 調教師 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | トルカータータッソ | 110.5 | 牡 | 4 | 59.5 | R.ピーチュレク | 2:37:62 | M.ヴァイス | 12 |
2 | 4 | タルナワ | 4.6 | 牝 | 5 | 58 | C.スミヨン | 3/4 | D.ウェルド | 3 |
3 | 11 | ハリケーンレーン | 4.5 | 牡 | 3 | 56.5 | J.ドイル | 短アタマ | C.アップルビー | 2 |
4 | 10 | アダイヤー | 5.0 | 牡 | 3 | 56.5 | W.ビュイック | 3 | C.アップルビー | 11 |
5 | 12 | シリウェイ | 93.7 | 牡 | 3 | 56.5 | F.ブロンデル | 3/4 | C.ロッシ | 10 |
⇨この年も重馬場開催の中、単勝オッズ110倍の超大穴トルカータータッソが勝利。
いやこんなん買えるかいな〜とYouTubeのLIVE配信で叫んだのを覚えている。ドイツ調教馬の勝利は10年振りで、正直このレースで好走しているイメージはあまりなく完全に盲点だった。
トルカータータッソは中団後方外目で脚を溜め、直線では先行勢がインを狙う中、馬場の真ん中あたりで差し脚を伸ばした。タルナワ以下有力馬がインでやりあっているのを横目に外から差し切る競馬は気持ちの良いものだったが、LIVE配信を見ていた筆者はあの位置から届くのかとぶったまげていた。
この年は日本馬ではクロノジェネシスとディープボンドが挑戦していて、直線向いた時はディープボンドとトルカータータッソのポジションの差はほぼなかった。
また、勝利したのは4歳牡馬だが、2着には牝馬、3着〜5着には3歳馬がきているので、やはり3歳馬と牝馬は馬券的には重視したい。
タルナワは前走アイリッシュチャンピオンステークス2着、タルナワは前走英セントレジャーを勝利していた。
2020年
着順 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 性 | 齢 | 重量 | 騎手 | タイム 着差 | 調教師 | ゲート番 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ソットサス | 12.2 | 牡 | 4 | 59.5 | C.デムーロ | 2:39:30 | JC.ルジェ | 4 |
2 | 12 | インスウープ | 10.8 | 牡 | 3 | 56.5 | R.トーマス | クビ | F.グラファール | 1 |
3 | 1 | ペルシアンキング | 8.6 | 牡 | 4 | 59.5 | P.ブドー | 1 3/4 | A.ファーブル | 7 |
4 | 10 | ゴールドトリップ | 51.7 | 牡 | 3 | 56.5 | S.パスキエ | アタマ | F.シャペ | 9 |
5 | 15 | ラービアー | 12.2 | 牝 | 3 | 55 | M.ギュイヨン | 2 | JC.ルジェ | 2 |
⇨この年は不良馬場での開催、ディアドラが挑戦したが8着に沈んだ。圧倒的支持を受けた怪物牝馬エネイブルが6着に沈み、現地で2018年に連覇を見届けた者としてはどこか寂しい気持ちがあった。
レースは3番手内側と先行したソットサスが前の馬を直線で交わして勝利。エネイブルはいいポジションでレースを進めるも追い出すタイミングで他馬にぶつかられ失速してしまった。
この年は馬券内を3、4歳の牡馬が占める形。ソットサスは仏ダービー馬で前走はアイリッシュチャンピオンステークス4着で、前の年の3歳時も凱旋門賞に出走していてその時は3着だったリピート馬。
インスウープは独ダービー馬で道悪でドイツ戦績のある馬はやはり重視すべし。
ペルシアンキングは仏ダービーでソットサスの2着の実績あり。仏ダービー好走馬はやはり侮れない。
好走要素まとめ
・牝馬+3歳馬(近年微妙)
⇨斤量の軽い馬は重視すべし
・前走好走ローテ=フォワ賞、アイリッシュチャンピオンステークス、ヨークシャーオークス、ヴェルメイユ賞
⇨欧州のトップレベル芝中距離G1レースor同舞台の前哨戦組
・リピーターレース
⇨エネイブルやトレヴだけでなく、ソットサスなどリピート馬多数
・5歳以下
⇨掲示板内率を見ても6歳以上の馬の戦績はあまり良くない
・仏ダービー好走馬
⇨凱旋門賞での好走歴多数
・道悪ならドイツ戦績
⇨ドイツ調教馬やドイツG1勝ち馬が多数活躍、ドイツはよりパワー系の馬場のため、道悪と相関関係があるのか?
・先行力あり
⇨差し馬にしても4角で中団あたりにはいて欲しい。基本的に、最後方からのズドンは決まらず前目で決着することが多い。
・内枠有利
→オープンストレッチの影響もあるのか?大外枠は割引必要
海外有力馬分析(9月29日更新)
◎13エースインパクト
5戦5勝の本馬を本命視せざるを得ません。
想定1番人気ですが、スルーセブンシーズと日本生産馬のコンティニュアスが人気を集めると思うので日本オッズだと旨みのあるオッズで買えるかもしれません。
近年微妙になってきているとはいえ、馬券内には近年もしっかり入ってきている3歳馬ですし、何より過去凱旋門賞で多くの馬が好走している仏ダービーでの勝ち方が強烈すぎます。
1頭だけ加速装置がついているのでは?と思うほどの末脚でこのハイレベルな世代戦を0.5秒差で完勝しているのはこの馬の能力の高さを示していると思います。
デビューはAWで勝っていますし条件戦ながら重馬場での勝利もあることから馬場が渋っても大丈夫でしょう。
懸念点としてはパリロンシャン競馬場は初めてですし、距離も2100mまでしか走っていないので2400m自体が初挑戦というあたりでしょうか?
あとはどちらかと言うと後ろからズドン系なので脚質的には凱旋門賞に合っているとは言い難いです。
一方距離に関しては、仏ダービーの走りを見るとまだまだ余力がありそうで、距離が延びてもそこまで苦にすることはないのではないかと思います。
正直今年の仏ダービー馬組の中では2枚能力は抜けていると思うので、よほど極端な馬場になったり不利があったりしないとここは逆転しないのではないかと思います。
ちなみに同年仏ダービー出走馬で今回凱旋門賞に出走しているのは、4着だったフィードザフレイムと8着だったコンティニュアスです。
余談ですが名前的にディープインパクト産駒か?と一瞬思いましたが、全然関係ありませんでした。
血統的にはサドラー系×ダンジグ系という欧州では定番パターンの組み合わせ。
特に血統要素的に不安視するものはないかなと思います。
○6ウエストオーバー
2番手はレーティング2番手となる127のウエストオーバーを取り上げます。成績のいい4歳牡馬です。
この馬は前走アスコット競馬場で行われたG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSでは人気の一角となっているフクムとアタマ差と差のない競馬で2着に入っていてその能力は十分です。
特にこのレースでは、ウエストオーバーは外目から捲り気味に5馬幅ほど外を強引に上がって直線で先頭に立つと、勝ち馬とフクムと2頭のデッドヒートを演じました。
フクムは後方で待機していて早めに抜け出したウエストオーバーを捉えるべく動いている形で、この2頭の力の差はそこまでないとこのレースをみて思いました。
びたびたにマークされている感じがありましたし、外目を通った進路のロスを考えると強い競馬をしていたのはウエストオーバーの方ではないかとさえ思ってしまいます。
このレースではルクセンブルク、パイルドライヴァー、エミリーアップジョン、オーギュストロダンなど数々のハイレベル馬が出走しておりレースレベルも高いと思います。
また、G1~G2を走ったここ4戦の全てで2着以内と大崩れしない安定感を持つ馬で、オッズ的にもこの馬を軸に考えるのも面白いと思います。
これまでの通算成績は(4-5-1-2)とさまざまなタイプの競馬場で走っていますがとても安定感がありますね。
エースインパクトも絶対的な存在とまでは言えないと思いますし、相手が荒れればなかなかな配当が期待できそうです。
▲3フリーウインド
デットーリ騎手の最後の凱旋門賞のパートナーとして選ばれたのが、このフリーウインドという5歳牝馬。
牝馬の相性がいい凱旋門賞というのももちろんありますが、エネイブルで連覇を達成したデットーリ騎手の渾身の騎乗を期待したいという若干ロマン的な部分もあります。
ただ、それだけではなくこの馬を高く評価する裏付けとなるレースがあります。
それが前走、ヨークシャーオークスです。
後方に控えたフリーウインドは直線で外側から先行するウォームハート(凱旋門賞出走回避、出走すれば対抗評価だった馬)にアタマ差に迫る2着でした。
ウォームハートはこのレースの後凱旋門賞と同じ舞台となるヴェルメイユ賞で稍重馬場でありながら2:31:29という凱旋門賞勝ち時計と見間違うほどの好タイムで走破していて実力のある牝馬です。
このタイムは今年の同コースの前哨戦レースの中で最も早いタイムです。
また、ヨークシャーオークスの3着馬は英オークス2着で愛オークス勝ち馬のセーブザラストダンスとこちらも実績十分の牝馬でした。
2走、3走前は敗戦していてオッズ的には旨みがありますし、2走前は不良馬場のステイヤーレースと敗戦理由もわかりやすいのでそこまで気にしなくてもいいと思います。
サドラーズウェルズの2×3となかなかインクロスが濃い馬ではありますが、当初予定していなかった凱旋門賞に駒を進めたということは状態面は問題ないという判断なのでしょう。
基本的には良馬場で走る馬なので、今回天気予報が良さそうなのはプラスだと思います。
ゲート番号も3番と内枠でちょうどいい感じですね。
後ろから行く馬なので展開の助けも必要ですが、スタミナに自信はある馬でしょうしここは名手の手腕に期待したいと思います。
△7フクム
6歳馬という点と外枠が好走ポイントから外れていて引っかかるところではありますが、上位馬に回避馬が多いことを考えると実績的にこの辺りのポジションに評価せざるを得ないです。
メイダン、アスコット、サンダウン、エプソムとさまざまな適性が求められる競馬場の重賞やG1レースで力を発揮していて、適性にとらわれない純粋な実績では今回の出走馬の中でも最上位クラスの馬です。
去年のコロネーションカップでは2番手追走からパイルドライヴァーを0.7秒差と完封して勝利。
2~6番手あたりと先行する競馬が基本なので、凱旋門賞に脚質的にも合いそうです。
今年はまだ2戦しかしておらず、そのどちらでも勝利を収めています。
特に前出の前走キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは、ビッタリとウエストオーバーをマークしこの馬との叩き合いを制して勝利。
3着以降には大きな差をつけたレースでした。
この時破った相手は、オーギュストロダン、エミリーアップジョン、パイルドライヴァー、ルクセンブルクなどと強豪揃いで、この相手に完勝しているところは高く評価すべきポイントでしょう。
間が空いているとは言え3連勝できていて、去年のドバイシーマは7着ながら勝ち馬シャフリヤールの0.2秒差とそこまで大きく負けてはいませんし、適性は大きく異なる舞台です。
馬齢は気になりますが、年内3戦目ということで馬自体はフレッシュな状態だと思いますので、6歳以上というアンチデータを打ち破る可能性も十分ありそうです。
レーティングは出走予定馬の中でトップの128で、エースインパクトの123よりも5ポイント高い数字になっています。
ゲート番号が14番と外枠を引いてしまいました、基本的に内枠有利のためここで少し評価を下げておきたいと思います。
△14ファンタスティックムーン
後述するパリ大賞を好タイムで制したフィードザフレイムを評価するなら、前走で同馬に勝利しているファンタスティックムーンを取り上げないわけにはいかないでしょう。
斤量の軽いドイツ調教馬の3歳牡馬です。
ブリーダーズカップやジャパンCも示唆していましたが、追加登録を行い凱旋門賞を選択してきました。
前走の好相性レースの前哨戦となるニエル賞では、2番手追走から逃げ馬を捕まえて0.4秒差で完勝しており、まさに凱旋門賞向きの先行押切の危なげのない素晴らしいレースを見せました。
勝ち時計は良馬場で2:33:20と特筆するようなタイムではありませんが、こういった横綱相撲的な競馬ができるのはいいですよね。ドイツ馬ですが良馬場で実績を上げているところも評価ポイントです。
12番ゲートと外目の枠に入ってしまいましたが今年は逃げ馬不在と言われていて、前に行く馬の先行争いはそこまで激しくならない可能性もあります。
いいスタートを決めてスッといい位置に収まれば十分チャンスはありそうです。
また、この馬は今回出走するドイツ馬ミスターハリウッドを下して独ダービーを制覇しています。
このレースが本当にすごいレースで、ちょっと映像を見てもらいたいです(笑)
どうですか?外ラチ沿いを大外一気。痺れますよね。
先行もできるし後ろからでも勝負できる決め手を持っているのはとても頼もしいです。
これだけロスがある競馬でも勝ってしまう馬なのでポテンシャルは相当なものがあると思います。
ドイツの馬場だけでなくロンシャン実績もあるので、凱旋門賞でも力を出せると思います、楽しみな1頭です。
☆15コンティニュアス
日本生産馬のハーツクライ産駒ということで若干贔屓目に見ていますが、この馬も馬券内に来る可能性は十分秘めていると思います。
斤量の軽い3歳牡馬です。
追加登録でこの舞台に向かうということで、裏を返せば追加登録料を払ってでもそれを回収できる自信があるということです。
仏ダービーは3番手先行し、前にいた馬が軒並み崩れたわけでもなかったのですが手応え悪く8着に沈んでしまいました。
ただ、前走英セントレジャーでは中団から早めにスパートを開始し4角で先頭に躍り出るとそのまま楽な手応えで突き放し、0.5秒差の快勝でした。
英セントレジャー組のローテ馬の成績は…なようでそこは不安要素ではあります。
父ハーツクライということでパリロンシャン適性への不安はありますが、母父ガリレオで欧州的パワーも補っていると思うので勝負は十分できると考えます。
それにしても牡馬で欧州系の母系との配合で活躍するハーツクライ産駒って珍しい気がします。日本では米国系の方が牡馬は相性がいいイメージがありますね。
仏ダービーの大敗と、このレースの勝ち馬エースインパクトとの差はかなりあるような気もしますが、日本生産馬なのでスルーセブンシーズとあわせて、応援していきたいと思います。
日本プールだと特に単勝は応援馬券が多くはいるので、オッズ的な旨みはあまりないかもしれませんね。日本プールなら影響の少ない連系で買うのがいいかもしれません。
ゲートは真ん中あたりの7番ゲートなので、悪くないですね。
注12フィードザフレイム
あまり重い印は打ちたくありませんが、この馬はパリロンシャン2400mの持ちタイムが素晴らしいので取り上げておきます。斤量の軽い3歳牡馬です。
評価するのは、2走前のパリ大賞。
今回の凱旋門賞と同じ舞台の稍重馬場で2:26:71はかなりの好時計です。
これは普通に凱旋門賞の勝ち時計と遜色ないですねからね。
斤量の軽い3歳馬ですし、このタイムを再現できれば勝つ可能性も十分あります。
ただ、この馬の評価が低い理由は大きく2つあります。
1つは、後方ズドンタイプで多頭数出走になると前が壁になる危険性や、そもそも差しが決まらない馬場だと差し損ねる可能性もあることです。
パンパンの良馬場で差しが決まりまくる馬場なら話は別ですが、オープンストレッチを使う先行馬がそのまま逃げ切るパターンが凱旋門賞は多いので、脚質的にはマイナスだと私は思います。
もう1つの懸念点は、エースインパクトが差し切り勝ちを決めた仏ダービーで4着に沈んでいることです。もちろんこの馬もいい脚を使って伸びていたのですが、エースインパクトには見劣りしました。
距離や舞台は変わりますが、エースインパクトとの格付けはあのレースで済んだような気もしていて、パリロンシャンで逆転はあるのだろうか?とやや疑問です。
頭ではなく2~3着狙いということであれば、持ちタイムを鑑みて良馬場〜稍重で入れるのはありだと思います。
ローテ的には相性のいい前走ニエル賞組で、同じく今回出走するファンタスティックムーンに次ぐ2着です。
スルーセブンシーズの勝算は?
最後に前回の記事でも触れましたが、スルーセブンシーズの勝算について触れたいと思います。
正直、海外参戦馬は例年に比べてメンバーは小粒だと思います。5番ゲートと内枠でいい枠を引きましたね。
当初有力馬として紹介していたウォームハートなど実績上位の有力馬の回避が多く、別路線に向かう馬が今年は多いですね。
※執筆時点の想定メンバーで記事を書いているため、注目馬に上げた馬が最終的に出走しない可能性もあります、ご注意ください。
エースインパクトはかなり強敵だと僕は思いますが、今年は出走頭数自体も少なくなりそうですからポジションも取りやすいですし、ひっくり返せる可能性は十分あると思います。
ウォームハートとセーブザラストダンスが出てこないのは、かなり大きいと思いますね。
また、今年は天気予報的にそこまで馬場が重くならなさそうなのも、日本馬には追い風だと思います。
散水されたとしてもなんとか稍重くらいまででとどまってくれると、スルーセブンシーズが活躍する舞台は整うと思います。
海外経験豊富なCルメール騎手の導きで、日本馬の悲願を達成してもらいたいと思います。
現役地方&海外馬主・競馬ライター
登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。
—最近の私––
Bluetoothでスマホと接続可能なスピーカー。重低音がとても強調されるので洋楽やアップテンポな曲が好きな私のお気に入り。防水機能つきなのでお風呂に持ち込んで音楽を聴きながら本を読むのが毎日の楽しみ。
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