どうも、ジェイです。
過去2回にわたって馬券収支についてのお話をお伺いしてきましたが、実はグリさん、『競馬王のPOG本』では日高の牧場取材に行かれているということ。
一口馬主的にも非常に興味があると思いますので、今回はPOG取材で数多くの若馬を見てきたグリさんにこれから注目したい種牡馬を教えてもらいました。
それではご覧ください!
↑グリさん取材記事も掲載されている「競馬王のPOG本2022年〜2023年版」
POG取材について
ジェイ:今回もよろしくお願いいたします、グリさんは『競馬王のPOG本』の取材に毎年行かれていると聞いております。
なかなかの精度で重賞馬を指名されていますよね?目利きのグリさんにこれから一口馬主やPOGで要注目の種牡馬を教えてもらいたいと思います。
グリ:よろしくお願いします。日高・浦河で10か所前後の育成牧場を取材させていただいています。
都合150~200頭くらい見せていただく中から10頭を指名するのですが、この3年は1頭以上の重賞馬が出ています。
もちろん、日高・浦河の生産者・育成スタッフの高いモチベーションと技術があってこそですが、自分に課せられたミッションは何とか果たせているかなと思っております。
日高方面の重賞勝ち馬を指名するとドヤれるので、是非見て欲しいですね(笑)。
ジェイ:毎年、いつ頃取材に行かれるのですか?
グリ:3月ですね。一口馬主の人たちが募集馬検討時期よりは遅いタイミングで取材に行っていますが、それでもやっぱり走る馬を見極めるのは難しいなと感じますね。
ジェイ:確かに難しいですよね。さて、本題に入ります。
実際に現地で取材してきて、牧場の評価が高かったり、まだまだこれから伸びてきそうだなと感じる種牡馬はいますか?
イスラボニータ
グリ:主観も入ってしまいますが、まずはイスラボニータですね。
皐月賞を勝ってダービー2着、秋の天皇賞3着など、王道を歩んでいた一方で、引退レースの阪神カップをレコードで勝った。
これって実はすごいことだなと思っています。
イスラボニータは2歳の6月2日、東京の新馬戦でデビューしているんです。
5月21日生まれと超遅生まれだったのに6月東京の開幕週でデビューしたのはすごいですよね。
新馬戦のパドックでは両前に大きな骨瘤があって、あまり歩様が良いようにも見えなかったので軽視したんですがあっさり勝たれたのをよく覚えています。
ジェイ:早い時期から活躍していたので遅生まれのイメージがありませんでしたが、5月下旬生まれだったとは。
グリ:新馬戦を勝った後は順調に行って、長く活躍して大きな故障もなく、引退レースでは1400mでレコード勝ちですよ?
一口やるなら理想的も理想的っていうタイプなんじゃないでしょうか。
僕は一口をやってないですけど、実際に産駒はスピードもあるし、故障もしなかったという点から、こういう馬がいいと思いますね。
イスラボニータは成功するという見立てがあったので、ディアレストさんで育成されていたバトルクライをPOG本に推奨しました。
場長に話を聞いていて「6月東京デビューできるんじゃないか?」という話だったんですが、このバトルクライも、5月16日と遅生まれ。
でも「6月東京でデビューしたい。動きは現時点でもウチで1、2を争う」とのことだったので、父と重なるし、これはいいんじゃないか?と思っておすすめした経緯があります。
実際は夏の新潟デビューでしたが、芝の新馬戦では超人気薄ながら4着まで来ました。2つ勝てるぞって思ったんですが、もっと走っていますね(笑)。
ジェイ:そういう見方で推奨を決めるんですね。体型的な特徴なども気にしますか?
グリ:ざっくりですが大まかな特徴はとらえていると思います。
イスラボニータは、胴が短くて腹袋はやや大きめでコロンとした見た目。
上物は短距離っぽいんですが、四肢は長くて独特なバランスです。
走りはすごく伸びて”ネコ科の走り”と言われていて。
とにかく体型がコロンとしている割に脚が長いのが特徴ですよね。
バトルクライは栗毛で色は違いますが、体のバランスは父に似たところを感じました。
イスラボニータはまだどこかで当たり出るんじゃないかと思っています。
プルパレイも、G3ファルコンSで重賞を勝ちましたしね。
ジェイ:イスラボニータ産駒は僕が入っているノルマンディーOCで募集馬が多く僕も検討したことがあります。
初年度産駒から、イスラボニータの背中の柔らかさが伝わっている産駒が多いという話を聞きますね。
グリ:そうなんですね! イスラボニータ産駒はダートでも潰しが効くのがいいですよね。
イスラボニータの父フジキセキもダートでも走りましたし。
このフジキセキ→イスラボニータのラインもそうですが、不思議と晩年に大当たりが出ると言うのはいろんな種馬で言われますよね。
そもそもディープインパクトもそうだし、ダイワメジャー産駒だとアドマイヤマーズにセリフォスが近年のこと。
ビッグアーサーもサクラバクシンオーの晩年の大物ですよね。
ビッグアーサー
ジェイ:そういえば、バンブー牧場の星・ビッグアーサー産駒はよく走りますよね。
産駒はしっかりと腹袋があってガッチリとした体型の馬が多い印象です。
先日ビッグアーサー産駒で父と同じバンブー牧場生産のビッグシーザーが福島2歳Sを制覇して、バンブー牧場のスタッフさんがすごく喜んでらっしゃったのが印象的でした。
グリ:2歳戦から活躍している馬が多いですよね。
おっしゃる通り、ビッグアーサー産駒はちゃんと幅がある馬が多い印象です。
サクラバクシンオーの正統後継者って感じですよね。
現役時代の戦績を見比べても、サクラバクシンオーはビッグアーサーに近いなと思います。
皆さんも思っているかもしれませんが、ビッグアーサーも成功は必至でしょうね。
ジェイ:なるほど、少し話が脱線してしまいました。(笑)他にグリさんが取材する中で評判が良かった種牡馬や面白そうだなと思われた種牡馬はいますか?
↑グリさん著書・地方競馬完全攻略ガイド 大好評発売中!
ファインニードル
グリ:そうですね、意外なところだとファインニードルでしょうか。
とても面白い種牡馬だと思います。
というのも、普段あまり多くを語らないタイプの某育成牧場の主任から「ファインニードル産駒どうですか?いいでしょう?」と取材者の僕に評判を聞いてきたんです。
現2歳世代は新種牡馬が多いので、他所でそこまでの評判を聞いていたほどでもなかったんですが、「そうですね」くらいの返事をしたら、「やっぱり!」と。
その主任曰くファインニードル産駒はスピードがあるのと、短距離の種牡馬産駒にしては賢い産駒が多いということをおっしゃっていました。
物覚えがすごくいいし、かといって前向きさがないわけでもなく、扱いやすいだけでなく動きも良いと。
実際、現在の産駒たちも繁殖の質に対してはかなり善戦していると言っていいのではないでしょうか?
ジェイ:これは私の持論ですが、短距離種牡馬はスピードの絶対値がある程度補償されるので、活躍率が高いと思っています。
ファインニードル産駒はかなり頑張っている印象を同じく受けています。一口でも狙いたい種牡馬の1頭です。
グリ:そうですね。ただ、短距離馬だと「そもそも気性の問題で短距離じゃないと無理だった」みたいな馬もいるじゃないですか?
実際、産駒が短距離に出やすい種牡馬は気性の問題を抱える馬が多いです。
そういう中でファインニードルは異質で、スピードもあるので、これが良さなんだろうなという解釈をしています。
ジェイ:気性が距離適性に及ぼす影響って大きいんですね。
グリ:適切な例かはさておき、アドマイヤムーンやマツリダゴッホって、現役時代は中距離馬でしたが産駒は短距離での活躍が多いですよね?
もちろん馬体や配合もあると思いますが、気性の部分が大きいと思うんですよ。前向きさが出過ぎているというか。
これは馬券においても重要な考えですが、距離がもつかどうかって、やはり折り合いがつくかどうかが大きいので。
ジェイ:なるほど、ロードカナロアも短距離種牡馬でかなりカッカしやすく、種付けをするときも暴れて大変だという噂を聞いたことがあります。
賢い産駒が多いと能力を発揮できない産駒が減るので、勝ち上がり率やAEIなどの各種指標も向上してきそうですね。グリさん、3回に渡り貴重なお話をありがとうございました。
グリ:ありがとうございました、読者の皆さんもありがとうございます。今回はほんの一部しか話せていないので、また来年POGの取材後にでも、対談をやりましょう。
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ゲスト:グリさん
登録者数1.2万人のYouTubeチャンネル「おしウマ!!」メンバー。
競馬新聞どちらが当たるか?の代理戦争企画や、馬券が外れたら倍プッシュで買い続ける企画動画などが人気。フリーライターとしても活動をしていて、競馬王のPOG本取材のため、春先は日高の牧場取材に明け暮れている。
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