POGとは？

POGとは、「ペーパーオーナーゲーム」の略称です。

これは仮想馬主のゲームのようなもので、一般的には４〜5月の2歳馬からPOG指名馬を選び（一般的には10頭）ダービー終了までの1年間の獲得賞金をポイントとして競います。
POGの主催には大きく２種類あります。

①JRA-VANPOGや日刊競馬POGなどの企業が主催をしているPOGです。

例えばJRA-VANのPOGは商品総額300万円と銘打たれているように、上位入賞者には商品が授与されます。

JRA-VANPOGは参加無料のようですが、一部POGは参加料金（登録料金）が必要なものもあるようです。

②仲間内で開催されるPOGです。

実は私も昨年度、今年度と２期連続でPOGスタリオンという無料サイトを利用してPOGを主催しています。

今年度の私の主催するJーPOGには視聴者さんなど189人が参加してくれています。

このような中規模のPOGだけではなく、仲間内数人でPOGを楽しむというパターンもあるようです。

私の主催POGもそうですが、仲間内のPOGにはゲームを盛り上げるために”縛りルール”を設けることもあります。

私の今年度のPOGは、勝ち上がり率40%未満の一口馬主クラブの募集馬から選ばなければいけないというなかなか厳しい縛りをつけて実施しています。

例年4−5月には様々な出版社がPOG本を発売しており、POG参加者の多くはこれらの本を参考にしながら指名馬を選んでいくことになります。

まずはPOGで経験を積んで、実際の出資馬が欲しくなったと一口馬主の道に脚を踏み入れる人も一定数います。

一口馬主向けのPOG本が初登場！

例年、多くのPOG本が発売され、一口馬主の間では「このPOG本に出資馬が掲載されている！」と情報が飛び交うなど、盛り上がりをみせています。

そこに目をつけたのか、今年は初めて一口クラブPOG2023-2024がガイドワークス社から発売されました。

通常のPOG本は当然一口馬主クラブ馬だけではなく、個人馬主の馬も紹介されますから、一口馬主クラブの馬が取り上げられる数はどうしても限られます。

しかし、今回のPOG本は社台サンデー、シルクキャロット、東サラにノルマンディーなど21社のクラブ馬がクラブ毎に取り上げられています。

私が入会している、キャロット、シルク、DMM、ノルマンディー、ロードの中で、取り扱いがないクラブはロードのみでした。

入会している4クラブはコーナーがあるはずですから、私も出資馬が掲載されているか？とワクワクしながら、１冊取り寄せてみました。

一口クラブPOGの内容は？

この本は実は元サララボ所属ライターだった貴シンジ君も執筆に携わっています。

本の内容としては、貴シンジ君など様々な聞き手によるインタビューや、血統評論家の亀谷氏、馬体評論家の治郎丸氏のコラムなどの読み物パートと、各クラブ毎の注目馬紹介パートの大きく2つに分かれています。

馬の写真紹介などはクラブ毎にまとまっている形で、クラブの募集馬の立ち姿を見るような感覚で見ることができます。

各クラブ毎にクラブへの取材インタビュー文面も掲載されています。

一般的なPOG本だと、牧場毎の掲載になることが通例ですので、一口クラブPOGというだけあってクラブ毎にまとめているのはこの本の特徴の一つでしょう。

ちなみに私の出資馬が掲載されていたか？というポイントについては、私もまだ精査しきれていませんが少なくとも…

・キャロット

⇨オーデンヴァルト（父ロードカナロア・グリューネワルトの21）

・ノルマンディー

⇨ゲンブ（父モーニン・ホクセーメジャーの21）

・DMM

⇨ベランジェール（父モーリス・キャリコの21）

の3頭の写真＋文面の掲載を確認できました。

特にオーデンヴァルトとベランジェールはクラブパートの冒頭で紹介されていましたので、俄然デビューが楽しみになりましたね。

※ベランジェールの写真部分。編集部の方からブログ掲載許可をいただき掲載しています。

一口クラブPOGの見どころ

①オールカラー

まず、表紙にもある通りこの本の特徴はオールカラーとなっているところです。

また、馬の立ち姿の写真も多く使われていて、やはり自分の出資馬のカラー写真を見つけるとテンションが上がりました。

通常POG本は巻頭はカラーで途中から白黒になっていると記憶していて、自分の出資馬が最注目馬でもないと載っていても白黒でカラーではないことや、文面では取り上げられているけど写真掲載はない、というパターンが私も過去にありました。

今回の場合写真のサイズに大小はありましたが、写真掲載されていれば必ずカラーになっているのは出資者としては嬉しいポイントなのではないかと思います。

②コラム

今回正直この部分への期待というよりは自分の出資馬がどんな露出の仕方をしているかを見たかった部分が大きかったのですが、いい意味でここは裏切られました。

特に亀谷氏の”POG種牡馬選び”は今年の一口馬主クラブの募集馬検討にも活かせそうな内容が多く含まれていました。

また、貴シンジ君が取材した治郎丸氏のインタビュー記事も興味深ったです。

治郎丸氏の著書「馬体は語る」を読んだ私にとっては、改めて著書の知識を呼び起こすことができました。

コラム内で触れられている血統と馬体をリンクさせて考えるということも、非常に重要なポイントなのではないかと思います。この種牡馬は、こんな馬体の馬を探そう。という目線を作るのに最適な内容でした。

顔やアゴの評価ポイントなど私個人としても新たに今年の募集馬の馬体写真や歩様を見るときには気を付けてみようと思えるポイントも複数あり、非常に有意義でした。

また、最後にこれは辞書的使い方を募集期間にしてみようと思ったのが伊吹氏の特集部分です。

私自身統計データや数字の根拠を求めるのが好きなタイプなので、生産牧場別の勝ち上がり率ランキングやクラブと厩舎の相性ランキングなどは募集馬検討の際に見直せば、すぐに相性を確認できるので、データ確認の手間が省けて良いなと思います。

普段厩舎や生産牧場のスタッズは確認していないという方はこの資料を見ながら募集馬検討をするだけでも、検討精度はさらにあがるのではないでしょうか？

まとめ

いかがでしたか？

自分の出資馬が載っているかを確認するのももちろん、この本の醍醐味だと思いますがそれ以外の部分も非常に充実した内容になっていたなと感じました。

募集期間が終了すると募集馬の情報が非公開となるクラブもあります。

そんな中、クラブの馬が再びこのように一覧にして見ることができる機会は貴重だと思いますし、クラブへの新規入会を考えている人からしたらクラブにどういう血統の馬がいて、どういうタイプの馬の育成が進んでいるのか一目で確認できます。

例えば遺伝子検査を公表する、などクラブの特典もクラブ毎のページで記載されていますし新しく入るクラブを探している場合はこの本の主題とは外れるかもしれませんがこの本を参考にするのもありかなと思いました。

今並んでいる馬で今募集している馬は一部に限られると思いますがね。

なにはともあれ今回の企画が盛況で、来年以降も継続的に一口クラブPOG本が発売されると嬉しいなと、一口馬主としては感じます。

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