期待度高い! 新種牡馬サンダースノーってどんな馬?

こもこも
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今回は2023年に初年度産駒がデビューする「サンダースノー」について分析していく。
なぜわざわざこの種牡馬を取り上げるかというと、日本で次に流行る可能性があるデインヒル系の種牡馬になれる可能性が高いと思ったからである。

日本で流行らないデインヒル

日本は世界競馬の中でも珍しいデインヒル系があまり流行っていない国である。
欧・米・豪を中心に世界中で広がりを見せているこの父系だが、日本では「ハービンジャー」が少し活躍を見せた程度。
これは何故なのか?
筆者は原因は2点あると推測する。

サンデーサイレンスと同期であり直線スピードが劣る

「デインヒル」「サンデーサイレンス」共に1986年生まれであり、種牡馬生活の期間も重なる箇所が多い。

当時日本で「サンデーサイレンス」が爆発的な活躍をしていた為、デインヒルにスポットライトが当たりにくかったのではないだろうか。

そして何よりも能力の方向性が異なっている。
「デインヒル」はスピードの持続力が武器で、「サンデーサイレンス」は直線での瞬発力が武器。

日本では直線でのスピードを求められる競馬が多いので、この点からも日本であまり流行らなかったのかもしれない。

現にヨーロッパの中でも直線スピードを求められるフランスでは、他のイギリスやアイルランドと比べるとG1馬が少ない。

このことが日本で流行らなかった理由の一つであると筆者は考える。

フィリーサイアー

デインヒルはフィリーサイアーと呼ばれており、活躍馬には牝馬・せん馬が多い。

日本でもG1を制した産駒は2頭いる。
牝馬の「ファインモーション」とせん馬の「フェアリーキングプローン」である。
牡馬は少しパワフル過ぎたのか、G1を勝てる馬が出てこなかった。
この点も日本で直系の後継種牡馬を生み出せなかった一つの要因であると考える。

サンダースノーに対する期待

ではなぜそこまでサンダースノーに期待が出来るのか?

これは、デインヒル系には珍しくダートで実績を残しているからである。

先述した通りデインヒルはスピードの持続力が武器である。
日本を舞台にすると、スプリント戦orダート戦でこの武器は活きる。
しかしデインヒル系はダート適性を備えていないことが多い。
これはデインヒルが欧州で育まれた血統なので仕方ないところ。
ところがサンダースノーはドバイワールドカップを連覇した馬である。
つまりダート実績があるのだ。

従って日本の芝がダメでもダートで活躍できる可能性が高い。
しかも2024年からはダート三冠路線も整備されるので、ダート種牡馬も需要が高くなることが予想される。
これにより産駒がダートG1を勝てば、種牡馬入りする可能性が高くなると言えるだろう。

サンダースノーの血統分析

続いて血統の分析をしていく。

(出典:POG-INFO)

父Helmetは現役時代、オーストラリアの1400m〜1600mのG1を3勝した馬。
スプリント系の血統はあまり入っておらず、母はシングスピールにMill Reefと欧州の中距離血統を持っている。
これがスプリントG1を勝てなかったことに繋がっていると考える。
逆説的にに考えるとこれが、サンダースノーのようなダート中距離馬を出した要因とも言えるだろう。

母Eastern Joyはフランスで競走馬として走っていたが、目立った戦績は無し。
自身の叔母には愛・英オークスを制したBalanchineがいる血統。
Nureyevの4×2というキツめのクロスを持っており、これがパワーの源になっていてさらに芝・ダート両方をこなすことができる万能性を鍛えていると考える。



この2頭を組み合わせたのがサンダースノー。
特徴としては、Sadler’s Wells≒Nureyevの5×3×5のクロスが発生する。
これによりパワーは十分に強化できる。

他にもスタミナ血脈が非常に多く、このことからダートの中距離を舞台として活躍できたと考える。
ただダート一辺倒ではなくて、3歳時は愛2000ギニーで2着・ジャックルマロワ賞で3着と芝でも実績がある。
それもこの馬のアピールポイントだろう。

そして走り方を見てみると、ダート馬にしては柔らかいストライドの伸びた走りをしているので、ある意味デインヒルらしく無い馬であるとも考える。
これも日本で活躍するに当たっては追い風になるのではないだろうか。
(現に日本で種牡馬として活躍しているハービンジャーもあまりデインヒルらしくない種牡馬である。)

サンダースノーのおすすめ配合

最後に相性が良さそうな、おすすめの配合をご紹介していこうと思う。

ダート中距離路線を狙いたい場合

まずはサンダースノーらしさを出したい場合である。
これはシンプルにロベルト系を加えるのが良いだろう。

特にオススメは「ブライアンズタイム」持ちの繁殖牝馬。
ブライアンズタイムはサンダースノーと同じような血統を持ちつつ、ロベルト系らしい頑強さを足してくれる種牡馬。

また、キングマンボ×ロベルトのパワー増強ニックスも完成するので地方の重い砂も対応が可能だろう。
これであれば日本競馬のダートで活躍が期待できる。

芝マイルから中距離を狙いたい場合

サンダースノーで芝路線を狙いたい場合の配合も考えておこう。
サンダースノーの母Eastern Joyを刺激していこうという狙いで、キングカメハメハ系の血を持っている馬が良さそう。
特に「ロードカナロア」が良さそう。

この馬の持つスピード血脈で、少し足りないスピードを補強。
あとはそこにサンデー系の血があれば、シングスピールを通してヘイローのクロスも出来るので芝路線も対応出来るのではないだろうか。

最後に

以上がサンダースノーに対しての筆者の見解である。
この馬に関しては本当に期待できる種牡馬と考えている。
ダート種牡馬の価値は上昇傾向にあるし、なおかつこの馬は配合次第で芝もこなせるポテンシャルも持っている。

今までは「芝がダメならダートで」だったのが「ダートのつもりだったけど芝で走ってしまった」と逆の嬉しい誤算を生み出せるような種牡馬の可能性があると考えている。
しかもダーレーの目玉種牡馬なので、特に最初の方は質の高い繁殖が多いだろう。

まさに今のうちに注目しておきたい種牡馬である。


こもこも

Youtuber

2018年産駒から一口馬主デビュー。
血統をメインに募集額4000万円以下の馬から出資馬を選定するといった、コスパを重視して活動する一口馬主YouTuber。
現在はノルマンディー・DMM・キャロットの3クラブで一口馬主を楽しんでいる。
一口馬主の楽しみをもっと色んな人に知ってもらう為、一口馬主YouTuberとして活動を始める。関西弁がキツイのはご愛嬌(笑)
代表馬はノルマンディーはバイタルエリア・DMMはバックスクリーン


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