【募集馬検討】ノルマンディーOC4次募集2023全頭分析No60〜62 byジェイ

ジェイ
ジェイ
どうも、ジェイです。
今回はノルマンディー4次募集2023について、記事にしていきます。
普段は注目馬のピックアップですが、今回は頭数も限られるので全頭分析という形でやりたいと思います。
よろしくお願いします。

4次募集との向き合い方

ノルマンディーの3次募集、4次募集については2歳馬が例年数頭募集されています。

注意したいのは、この中からこれまでの傾向だと、勝ち上がることができるのはせいぜい1〜2頭だということです。

勝ち上がりがいない世代もあります。

こちらはノルマンディー3次募集馬たちのその後の成績をまとめた記事です。

記事を見ていただければ、そもそもこの募集がいかに難しい募集かということがわかると思います。

これにはいくつかの理由があり、そもそもこの時期まで募集できなかった理由がある、または他の同世代の馬たちは入厩してゲート試験を受けていたり、4次募集だとデビューして勝ち上がる馬が出てきていたりとする中、どうしてもこれらの募集馬は立ち上がりが遅れるため未勝利戦を戦う期間が短いことなどがあります。

ノルマンの場合、地方引っ張りも多いので特に4次募集の馬の場合は中央で勝ち上がれずに地方行きになった時のことも考えてダート適性はしっかり見ておきたいです。

また、ただでさえノルマンディーは育成が早い方ではありませんから、この時点でまだまだ時間がかかりそうな馬を選ぶのであれば、次の1歳世代を待ってもいいのではないか?と個人的には思います。

ただ、外国産馬からは過去に活躍馬が出ているので外国産馬だけは度外視してもいいのかなと思ってます。

馬体を見る上では、私たち一口馬主は基本的に1歳馬の馬体や歩様を見慣れています。しかし、今回検討するのは同期がすでにデビューしている2歳馬であるということはよく頭に入れた上で検討していきたいところです。それではこの募集への心構えを確認したところで、具体的な検討に移っていきましょう。

ちなみに、思ったより長くなりそうなので前後半に記事を分けることにしました。

前半のNo57〜59はすでにサララボ内で公開します。よろしくお願いします。



各馬評価

No60 パラダイスコープの21

今回の募集の中でも目玉的な立ち位置なのがこの馬ではないでしょうか?

トレーニングセールでラスト1ハロンの1番時計を出したリアルスティール産駒の牝馬です。

リアルスティール産駒の牝馬はサンプル少ないですが勝ち上がり率28%とまずまず。基本は芝ですが、牡馬はダートをこなす馬もいますね。

きょうだい馬は2頭いて、1頭が中央で2勝していてノルマン募集馬としてはまずまず。

母母は北米G1で3着に入ったブラックタイプですが産駒からはそこまで活躍馬は出ておらず活力のあるファミリーとは言い難い現状です。

キングマンボとモネヴァッシアの3×3全きょうだいクロスが血統的には特徴になると思いますが、ちょっとインブリードが濃いですし、私は過去にこの全きょうだいクロス馬のドゥラメンテ産駒、ソレンニータで痛い目を見ておりますのであまりいい印象はありません。

母系についてはリアルスティール産駒は母系欧州系と相性が良く、豪州で共有しているトゥルーフェアリーも母父ハイシャパラルで、トライアルで好走していてこちらのイメージが私は強いのですし、前述の全きょうだいクロスの件もあり母父キンカメはどうなのかな?と思っておりました。

ただ、データを調べてみると実は母父キンカメも6頭出走していて3頭勝ち上がりと半分が勝ち上がっていて相性良さそうです。これは覚えておこうと思います、勉強になりました。

馬体重440kgなので、まぁギリギリセーフかな?という感じ。

トレーニングセールで一度仕上げているとはいえ、入厩前なのでできればもう少しサイズがあると嬉しかったです。

馬体写真を見るとさすが、トレーニングセールでいいタイムを出しただけあって、マイラーっぽい雰囲気を受けますがトモにはしっかりと筋肉がついていてメリハリもあって好印象。前後のバランスも良さげです。

ノルマンディーファームで18秒から立ち上げているということなので、即デビューという感じではなさそうですがポテンシャルがあることは間違いなそう。

ただ歩きを見てみると、少しちょこちょことあるく感じでものすごくストライドが広く迫力がある歩きという印象は受けません。

マイルくらいの距離ならこの感じでも大丈夫なのかもしれませんがね、中・長距離系ではないかもしれません。

縦から見た時は、飛節のブレがほとんどないのは好印象ですね。さすが好タイム馬といったところでしょうか?

前から見ると左前が若干外向気味に見えましたがこのくらいは許容範囲でしょうか?

馬自体はトレーニング高額馬だけあっていい馬だと思いますが、この募集額が見合っているかと言われるとちょっと微妙な気もしますね。

EVO上手先生も、トレーニングのタイムとその後の成績は必ずしも相関しないし、額が高くなるから…という話を以前YouTubeでしていただきました。

ノルマンディーで総額2800万円募集は、高額馬ですからね(笑)

4次募集であることなども総合的に検討すると、回収率を重視するよりは1勝しっかり中央でして長く楽しませてくれればそれでいい、という方に向いている馬かもしれません。

勝ち上がれる期待値は、今回の募集馬の中でも高い1頭だと思います。



No61 ノーブルレディの21

4次募集の中で積極的に考えていくべき属性である海外馬です。

2代母から種牡馬が出ていて、ボトムラインはかなり豪華ですね。

半兄も北米で2勝していますから、母の繁殖能力もしっかりありそうです。

牡馬なので牝馬限定戦のレースに出られないなど大きな制限はありませんが、内国産馬奨励賞が支給されないことや、混合レースにしか出走できないなど一定の制約があることは理解の上で出資する必要があります。

この馬の父Palace Maliceからはストラクターという後継種牡馬が出ていて、こちらは日本で導入されています(種付け料70万円・レックススタッド)

ここでのポイントはこのストラクターという種牡馬がレックスに入っているということです。

そうです、完全に牧雄さんの息がかかったところですよね。

この種牡馬の後継種牡馬を導入してくるということは、牧雄さんは相当この種牡馬の持つポテンシャルに期待しているのではないか?と分析できます。

とはいえ、このPalace Malice産駒で日本で出走し、賞金を稼いでいるのはアクイール(中央1勝したのち地方へ転出)のみとなっていて日本適性はまだまだ未知数です。

馬体を見てみると、サイズがしっかりありますし、横っ面の歩きっぷりはよく見えます。

踏み込みも好みの感じ、しっかり深く力強く踏み込めています。

ただ、縦から見た時はまだまだ飛節のゆるさを感じて軸が定まっていない印象を受けましたし、右後ろの外弧がけっこうきつくて気になりました。

その反動なのか、左前は内側に刺さるような動き方になっていて、左前には負担がかかってきそうです。

ダートを基本とする馬になると思うので、過度な心配は不要かもしれませんがちょっと気になりましたね。

トモも容量はあるものの締まりはまだまだこれからという印象を受けます。トレーニングセール明けで北海道でゆっくりしてから、20秒ペースで進めているということなので立ち上がりはかなり遅めになりそうです。年明けデビューのイメージですかね?

未勝利間に合わず地方行きも視野に入れての出資がいいのではないかと思います。

トレーニングセールの走りは、身体がちょっと高いかな?という印象も受けますが、ピッチ走法ぎみでかき込むタイプなのかな?と思いました。そんなに距離は持たないのではないかと思います。

吉岡調教師は一口馬主の中でも満足度が高い厩舎ですから、厩舎力はかなり追い風になると思います。

No62 ホーリーワウの21

先に結論から言いますが、今回の4次募集の中でジェイが最も気になったのはこのホーリーワウの21です。

ただ、更新を見ると蹄をケガしてしまったようで少し心配ですね。

この更新内容であれば、しばらく様子見可能だと思いますので、入厩直前まで見極めた上で出資するのもありだと思います。

この馬も外国産馬なので、そのデメリットについてはよく理解する必要があると思います。

かなり遅生まれの馬ですし、どのくらいで立ち上がってくるかも確認したいですよね。

ファミリー的には2代母からカナダの最優秀牝馬スプリンターのYou can’t catch meが出ていて活力がありますし、3代母から枝分かれするファミリー(本馬の近親)からはPrincess of Slymarというケンタッキーオークス勝ち馬も出ています。

ファミリーのセン馬率が高く気性が心配なところではありますが、ノルマンディーの募集馬としては最強クラスのボトムラインだと思います。

父Mor Spiritからは日本ではティルドーンという3歳牡馬が出走していて現在1勝Cでダート中距離で出走しています。

産駒で日本で登録されているのは本募集馬とこのティルドーンのみなので、サンプルが少ないのですが、血統要素を紐解いていくとトップラインは日本と相性がいいとされるジャイアンツコーズウェイ系に加えて、シアトルスルーやミスプロですから、日本に合わないことはないんじゃないか?と思っています。

2022年に出走したのが初年度産駒で、北米では55頭が出走し17頭が勝ち上がり、今年は79頭が出走し27頭が勝ち上がりと、まぁまずまずといったところの成績。

ステークスウィナーはVelocitorの1頭です。この馬も調べたところセン馬ですね。

この馬の魅力はボトムラインももちろんですが馬体にあると考えています。

まず現時点でサイズがしっかりあるところがいいですし、何より歩きがキビキビしていて踏み込みも力強くて好印象です。

リズムよく首を使いながら歩けているのが歩様動画を見ていただければわかると思います。

飛節のブレもそこまで大きくなく安定しているように見えますね。

1点ケチをつけるとすれば左前でしょうか?蹄が外向しているのでここは少しバランスが悪く見えました。

ただ、トレーニングセールの走りを見るととても躍動感がありブレの少ないフォームで走っていたのでそこまで気にしなくてもいいのかな?とも思いました。

父似のボリューミーな馬体で全体的には面白い1頭だと思います。

出資を検討される方は、なるべく締め切り直前か満口直前まで我慢した上で出資されることをお勧めします。4次募集で育成が遅れている馬は例年そこまで埋まらない印象があるので大丈夫だと信じたいです。


ジェイ

現役地方&海外馬主・競馬ライター

登録者5000人超え&累計再生250万回超えの一口馬主YouTuber。豪州競馬会員制コミュニティJJ Racing Club 共同代表。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSS や中條厩舎の豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統スタッツや馬体・歩様を重視していて代表馬はトゥルーフェアリー、ロードヴァレンチ、ミスティックロア等。

—最近の私–

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