初めての海外馬主!豪州共有馬セントロイドは活躍できた?【後編】

↑RSS代表川上代表の著書。海外馬主初心者は必読の1冊。

どうも、ジェイです。今回はエネイブルの半弟で初めての豪州共有馬セントロイドの戦績はどうだったのか?そしてその理由について、前編後編に分けて考察していきます。

前編記事はこちらをご覧ください。

その後の戦績は?

豪州デビュー戦で12着と惨敗した、エネイブルの半弟セントロイド。移籍前の戦績を見ればこの程度の馬ではないと、共有馬主として確信していました。初陣から約20日後、21年7月20日にセントロイドの2戦目が決まりました。

レース:スポーツベット・バララット競馬場 第5レース BM64 2100m (オールウェザー)

時間:7月20日 14:30 (日本時間13:30)

騎手:J・リチャーズ 60kg

枠順:8

今回は日本ではあまり馴染みのないオールウェザーでのレース。クマーニ調教師のバララット競馬場でホームグラウンドでの出走になります。ベンチマーク64というクラスのレースのため減量騎手を起用しても斤量60kgトップハンデとなかなかヘビーですが…。得意の中距離レンジでの活躍を期待しました。

結果は…12頭中7着。

前回よりはかなり前進が見られたものの終始外を回る展開が厳しく、掲示板内確保とはなりませんでした。

レース後のクマーニ調教師のコメントです。

『今回のレースは非常にもどかしい走りとなってしまいました。スタート後に中団の良い位置に付けれればと思ったのですが、馬群に入れるタイミングもなく終始5馬幅ほど外の回されることとなり、最終コーナーでは外ラチの近くまで外を回ってくることとなってしまいました。このようなコース取りではレースに参加することは不可能でした。その中でも直線ではしっかりと伸びており、更に最後の100mは騎手も追うのをやめていたという事実を考えると、馬はとても良く走ったと思います。』

引用:RSS更新メールより

ちなみに7着になると一応賞金が貰えますが、豪州は出走手当などは充実していません。まさに雀の涙ほど、預託料相殺などは到底見込める額ではありませんでした。というか、これもう1年前なんですね,ついこの間の出来事のようです。(笑)

続いて、さらに約20日後の21年8月8日。ついにセントロイドのメインディスタンスとなる、芝2400mでのレースが組まれました。

ベンディゴ競馬場 第6レース BM64 2400m (芝)

時間:8月8日 15:15 (日本時間14:15)

騎手:J・アレン 61.5kg

枠順:1

馬場発表:Soft7(重)

斤量は61.5kgと日本ではあり得ない重さに一抹の不安を覚えますが…。

レース前のクマーニ調教師コメントです。

『今日も何頭か成績の良い馬はいますが、人気(23倍)を覆す走りをしてくれるでしょう。61.5kgの斤量とはいえ、鞍上のJ・アレンはセントロイドのようなタイプの馬に騎乗するのがとても上手いので安心して任せられます。』

引用:RSS更新メールより

ここは関係者を信じて、初の好走を祈りました。何より,この馬が最も得意とする舞台。そろそろ結果が欲しいところです。

注目の結果は…11頭立ての7着でした。これはかなりショックでした。

レース後のクマーニ調教師のコメントです。

『ここまでの調教過程には満足しており、今日は良い競馬が出来ると思っていたので結果は少し残念でした。馬体は絞れてきていたものの、息が上がっていたところを見ると仕上がりがまだ足りなかったようです。走りやすいオールウェザーから芝の重馬場となり、距離がさらに伸びたため前走よりタフな競馬となりました。直線への入りでスムーズなレースができていたらもう少し良い着順に入っていたのではないかと思っています。エンジンがかかるのに時間のかかる馬なので、直線で包まれるレースの形は向きませんでした。次走は3週間ほど間隔をあけ、似たような距離のレースを選択する予定です。』

引用:RSS更新メールより

いつも強気なクマーニ調教師も少し弱気なコメント。3週間後に似た舞台で…とありますが、これがセントロイドの最後のレースになるとは、この時は予想もしませんでした。

まさかの大ケガ

21年8月22日のレース出走に向け、セントロイドは調整されていました。

しかしレース前日、出走を取り消す、と言うメールが届きました。

その時のクマーニ調教師のコメントです。

『残念ですが、明日のセントロイドの出走を取り消す事となりました。馬場状態もよくメンバーもそこまで揃っておらず、セントロイドにとって理想的なレースだと考えていたので残念です。出走取り消しの理由といたしましては、今朝右前の膝と球節の中間部に若干の腫れが見られたためです。右前脚の内側に長さ1cm幅5mmほどの擦り傷があり、腫れの原因はその傷からのものだと祈っています。』『問題となるのは競走馬にとって非常に重要な繋靭帯の問題だった場合です。怪我がどの部位であったにせよ、今後セントロイドに長く活躍してもらうためにも、軽い怪我とはいえ無理して出走を強行する事は好ましくないと判断いたしました。』

引用:RSS更新メールより

結局、このタイミングでは繋靭帯への損傷は認められず、放牧に出ることになりました。2ヶ月後再度調教ペースを上げた所、この箇所のダメージが再発。再び精密検査を行った所、右前脚に急性の近位繋靭帯炎を発症していると診断が下されました。

ライジングサンシンジケートの場合、競走馬の引退に関わることや去勢などの処置、海外遠征などの局面で共有馬主に投票が求められます。

私を含むセントロイドのオーナー達は、リハビリか引退か選択を迫られました。獣医師の診断や想定されるリハビリプログラムなども示され、これまでの戦績と照らし合わせて各々が判断を行います。これは日本の一口馬主にはない仕組みです。

投票の結果、80%以上が引退を希望したため、セントロイドはここで残念ながら引退となり、余生を過ごす乗馬施設へと向かうことになりました。私の最初の豪州共有馬主生活は、1年弱という本当に短い期間で終了してしまったのです。

誤算はどこに?

あわよくば、メトロでの勝利はもちろん、G3くらいの重賞出走もできちゃうんじゃないか?少なくとも豪州で勝つ姿を1度はみられるだろう。そんなことを思って共有を決めた訳ですが、誤算はどこにあったのでしょうか?

誤算① 北半球から南半球への移動

セントロイドは欧州所属馬でした。豪州は当然南半球ですから、季節が逆になります。RSS代表の川上氏によると、日本馬がコックスプレートに遠征する時のように、短期間の滞在ではそこまで影響がないものの、完全に移籍するとなると気候の違いで調子を落としてしまう馬がいるといいます。

セントロイドの凡走が調子によるものなのかは定かではありませんが、毛艶や太め残りなど、万全に仕上がっているという印象では正直なかったと聞きます。馬によっては全く影響がない場合もあるそうですが、セントロイドはそうではなかったのかもしれません。

誤算② 重いハンデ

セントロイドは欧州で出走していて、最初からレーティングが高い状態でした。そのため、少しベンチマークの低いレース(レートに対して低いクラスのレース)の場合、60kg以上などかなり重い斤量で出走せざるを得ない状況が続きました。

RSSではその後欧州からの移籍馬は執筆時点ではいません。今後移籍馬が出てきた場合は、レーティングによって重いハンデを背負う可能性があることは意識する必要があるでしょう。

まとめ

セントロイド引退後に共有したホーリーシールの20(父グラント)

ほろ苦い豪州共有デビューとなりましたが、毎回のレポートはとても丁寧で文量も多く、色々と競走馬について学ぶことは多く有意義な経験になりました。何より、慣れない場所で懸命に走ってくれたセントロイドと関係者の皆様には感謝です。

後ほど別の記事に登場すると思いますが、セントロイド引退後ホーリーシールの20というグラント産駒の牝馬(新馬)を共有して、豪州馬主は続けております。

セントロイドとは歩むことが叶わなかった頂への道を、ホーリーシールの20と歩めることを願って今回の結びとしたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。



記事を書いた人 ジェイ

登録者4000人超え&累計再生200万回超えの元一口馬主YouTuber。社会人1年目から一口馬主を始め、キャロット・シルク・ノルマン・ロード・DMMバヌーシーの5クラブに入会。地方個人共有とRSSの豪州共有に加え北米MRHでマイクロシェアを行う。血統の配合相性を重視していて代表馬はロードヴァレンチ、リレーションハート等。

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4 Responses

  1. これじゃあ私はオーストラリアの一口馬主に出資しました、負けました、ケガして引退しました物語。
    出資金はいくらで、維持費は?口数は?
    結果いくら赤字なの?って数字は出せませんか?
    トライアルアンドエラーで、反省して次進まないと
    永遠に出資しました、負けましたで成績が上がっていかないのでは?

    • ご意見ありがとうございます。
      以前YouTubeでは、維持費や出資金など公表していました。
      出資金約20万円、月の維持費1万円、賞金はほぼありません。

      今回は確かに、ストーリーに注力していたため、費用の面は出していませんでしたね。
      また別の回で、費用の面にフォーカスした回を作ろうと思って準備をしていますので、
      よろしければまたそちらも見ていただければと思います!

      • 楽しみにしてます。
        なかなか儲からない世界ですね。

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